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元旦に「初日の出」…
とても縁起の良いものだと知られています。
寒い中、見に行ったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、そんな「初日の出」…
なぜ人は元旦に「初日の出」を見たがるのでしょう?
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なぜ人は元旦に「初日の出」を見たがるのか?
歳神様は、一年で一番最初に昇る太陽とともに現われるとされています。
そのため日本では、初日の出を神聖なものと考え、その美しい姿を拝むと、一年間を健康に過ごせると考えてきました。
また、元旦の「旦」という漢字は、その形を見てわかる通り、水平線から日が昇ってくる様子を表わしているそうです。
歳神様は山から降りてくるので、山から朝日が昇るご来光は、特にありがたいものです。
ですから、「初日の出スポット」として、最もおすすめしたいのは、何といっても日本一の名山、富士山ですね。
2013年に世界文化遺産として登録された富士山は、古来より神々の棲まう霊山とされ、日本人の信仰の対象でした。
富士山は「不死の山」とも呼ばれ、そこには不老不死の仙人や仙女が暮らしているとも考えられ、多くの古典文学にも、その物語が描かれています。
ですから、一年の健康を祈って富士山からのご来光を拝むのは、大変縁起が良いでしょう。
関東地方で初日の出を拝むことのできる場所では、茨城県にある大洗磯前神社も素晴らしいものです。
この神社では、海岸に面した岩礁が、御祭神の降臨したご神体であるとされ、その上に鳥居が建てられています。
元旦には、このご神体の岩礁に神職が下りて、初日の出をお迎えする「初日の出奉拝式」が執り行なわれます。
見渡す限りの海を背景にした鳥居の中央から、キラキラと輝く太陽が姿を現わす光景は、とても神秘的で、心が洗われます。
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新年の神聖な水について…
元日のまだ夜が明けない早朝午前1時頃、川や泉や井戸から汲んだ水のことを、「若水(わかみず)」といいます。
新年最初に汲み出した若水には、神聖で特別な力があると考えられていたので、歳神様に供えたり、このお水でお正月料理をつくったり、顔がきれいになるといわれているので顔を洗うのに使ったりしていました。
かつて若水を汲むときには、「黄金の水を汲みます」という縁起を担いだ、おめでたい言葉を唱えていたとか…
現代では井戸というものもなかなかありませんから、水道の蛇口をきれいに磨いて、新年を迎えられることに感謝をしながら、一年で最初の水を汲むということにするのも良いでしょう。
さらに、若水を沸かして入れたお茶は「福茶」と呼ばれ、邪気をはらうといわれています。
京都の六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)では、お正月の三が日にこの福茶である「皇服茶(おうぷくちゃ)」がふるまわれ、大勢の参詣者が訪れます。
また、若水は変若水(おちみず)ともいわれ、「万葉集」には、月の神である月読尊が変若水を持っており、その水には若返りの効果があると記されています。
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