四国の88の寺院を総称して「四国八十八箇所」…
そして、この四国八十八箇所を巡拝することを四国巡礼と呼び、似たような呼び方として四国遍路、四国巡拝などとも言います。
そうして、四国八十八箇所を巡拝する旅のことを「お遍路(へんろ)」と呼ばれています。
今回は、そんな「お遍路さん」の意味や由来について、ご紹介したいと思います。
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お遍路さんの意味や由来とは?
お遍路は、弘法大師が開いたとされる四国八十八ヶ所の霊場を巡る修行の旅です。
都から遠く離れた四国は、修験者の修行の地であったといわれています。
讃岐に生まれた弘法大師も、この地で修行を積んでいました。
弘法大師の入定(にゅうじょう・瞑想したまま絶命し、即身仏となること)後、弟子たちは弘法大師の修行の足跡をたどり、四国をまわりました。
これが八十八ヶ所巡りの原点とされています。
なぜ八十八ヶ所なのかは諸説あります。
人には八十八の煩悩があり、それを一つずつ消していくためという説、厄年(男性42歳、女性33歳、子供13歳)の合計が八十八になることから厄除けのためという説などがありますが、はっきりしたことはわかっていません。
近年は、車やバス、電車を乗り継いでまわったり、何度かに分けてまわったりするなど、観光がてら札所巡りをする人も多いようですが、かつてはすべて徒歩でまわる過酷な道行きでした。
また、修行目的の巡礼だけではなく、病気を持つ者や犯罪をおかした者など、故郷を捨てざるをえなかった人たちが、施しを受けながらずっとお遍路の旅を続けることもあったようです。
ときに白い目で見られ、またときに迫害を受けながら、もしかしたら仏様によって病気が治るかもしれない、贖罪がかなうかもしれないと信仰にすがり、行き倒れる人もいたのです。
そんな厳しい旅を続けることができたのは、「同行2人」の教えがあったからでした。
同行2人とは、たとえ1人で巡礼していたとしても、常に弘法大師さまが見守っていますよ、そばについていますよという教えです。
お遍路さんたちは、弘法大師様とともに修行をしていると感じながら、一歩一歩進んでいったのです。
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