若い母親がはじめて自分の子どもを近所の公園に連れていき、子どもたちを遊ばせている間、他の母親たちと人間関係をつくる…
これが、いわゆる公園デビューと言われるものです。
そこで母親同士が仲良くなれば文句なしですが、グループの中に気があわない人がいたり、些細なことで孤立したりと、精神的ストレスになるケースも多いと言われています。
そこまでしてなぜ、母親たちは公園でグループをつくるのでしょうか?
人間には、集団をつくり、そこに所属していたいという「本能的な所属欲求」があるのです。
一人でいるとさびしいと思う、孤独感をもつ「群居性動物」だからなのです。
長い歴史の中で、人間は部族生活によって生きのびてきました。
つまり、集団に所属しなければ生き残れない生活を送ってきたのです。
母親同士がグループをつくりたがるのも、この本能的欲求が理由の一つなのかもしれません。
公園の母親たちは似たもの同士の中で、とにかく浮かないように、それぞれが気を遣っています。
グループの一員になると、そのメンバーは意識的にも無意識的にも、お互いに同じようになろうとする気持ちがはたらくのです。
これを集団心理学では、集団のメンバーに「斉一性(せいいっせい)の圧力」がかかるといいます。
たとえば、みんなが韓国ドラマの話題で盛りあがれば、見ていなかった人は帰ってさっそく視る…
言葉で強制されなくても、思わずそうしてしまうのです。
ほどほどに周りとあわせるのが、いちばん“浮かない”方法だからなのでしょう。
主婦もなかなか大変なのです。
この記事へのコメントはありません。