目次
上座仏教やテーラワーダ仏教、テーラヴァーダ仏教、南伝仏教、小乗仏教などとも呼ばれる「上座部仏教」。
ユーラシア大陸の中央部から東部にかけて信仰されてきた仏教の一派「大乗仏教」。
この2つの宗派の違いをご存知でしょうか?
ここでは「上座部仏教」と「大乗仏教」の違いとは?…
と題して諸説ありますが、それぞれの発祥などについてお話したいと思います。
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「上座部仏教」と「大乗仏教」の違いとは?
仏教には様々な宗派がありますが、大きくは「上座部仏教」と「大乗仏教」に分けられます。
それぞれを「じょうざぶぶっきょう」、「だいじょうぶっきょう」と読みます。
上座部仏教は、ブッダの教えを哲学や学問として深めていき、その中で自分が悟りを開くことを第一としている宗派です。
これに対して大乗仏教は、ブッダの教えを深めていくのもいいが、それよりも、もっと大衆のなかに入っていき、直接人々の苦しみを救うほうが先だと考える宗派なのです。
上座部仏教からすれば、「自分が悟りを開いてもいないのに、人々を教えるというのはおこがましい」という話になりますし、大乗仏教の側からすれば、「自分ひとりだけが悟り開いて救われようとするのは心が狭い」ということになるのです。
また、上座部仏教が、悟りを開けるのは出家して修行を積んだ僧だけであり、普通の生活をしている一般信者は悟りを開けないと考えるのに対し、大乗仏教では誰でも悟りを開ける可能性があるとするのも大きな違いです。
そもそも仏教が2つに分裂したのは、ブッダの死後200年ほどのこと。
分裂の直接のきっかけとなったのは、戒律の解釈をめぐる争いです。
初期の仏教教団には、「牛乳を飲んだあとチーズを食べてはいけない」、「ふちどりのない布には座ってはいけない」、「どんなことがあっても金銀を受けとってはいけない」など、細かな戒律が多数存在しました。
しかし、孤立して修行生活だけを送っているならともかく、民衆の生活に入っていってブッダの教えを説こうとすれば、戒律を守ってばかりはいられません。
そこで戒律に縛られるよりも、人々を救うほうが大切だと考えた一派が教団を出て、後の大乗仏教の礎を築いたのです。
その後、上座部仏教はタイやラオス、ミャンマーなど東南アジアに、大乗仏教は中国や韓国、そして日本に伝わりました。
そうして両派は今も人々のくらしに根づいているのです。
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チベット仏教の今
インドからチベットに仏教が伝わったのは、7世紀のこと…
チベットには、それ以前から土着の宗教である「ボン教」が存在し、仏教はボン教と混ざり合いながら独自の発展をとげました。
それが、チベット仏教です。
チベット仏教には、高僧を仏の生まれ変わりだとする「生き仏」の信仰があります。
特に最高指導者は「ダライ・ラマ」と呼ばれ、観音菩薩の化身であるとされるです。
他にも、阿弥陀如来の生まれかわりだとされる「パンチェン・ラマ」なども存在し、ちなみにラマとはチベット語で「師」という意味です。
ダライ・ラマもパンチェン・ラマも、何度でも転生するとされています。
現在は第14代のダライ・ラマ(ダライ・ラマ14世)…
つまり14回転生したと考えられているのです。
法名:テンジン・ギャツォ
幼名:ラモ・トンドゥプ
在位:1940年~在位中
生誕:1935年7月6日
出身:チベットアムド地方タクツェル
備考:1989年にノーベル平和賞受賞
しかし、1951年以降、チベットは中国に支配されており、ダライ·ラマ14世はインドに亡命しています。
中国は、政府の許可なくダライ·ラマの転生を認めないとしているため、次の転生がどうなるのか危惧されているところでもあります。
わかりやすくご説明頂きありがとうございます。北京駐在のものです。チベット、西安、敦煌、など巡うちに疑問を感じる様になりました。参考になります。