友達や恋人、上司などと会話している時、相手との距離感に関しておそらく特に意識をせず自然に、それぞれの相手と会話をしていると思います。
その自然というのは、大雑把に言うと、仲の良い友達だと距離感はだいぶ近いものになります。
恋人同士ともなるとさらにその距離感は近くなります。
しかし上司との会話は自然のある程度をとっているのではないでしょうか。
それがお店の店員や初めてあった人など見ず知らずの人だと、さらに距離を取っているかと思います。
そこでたまに公共施設などで、距離間がおかしい人がいると、あれ?なんか変だな、怖いな、と感じますよね。
そこで今回は、距離で相手の心理がどういうものなのかを見ていきたいと思います。
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心の距離とは相手との接近距離と関係している
誰かといるとき、どれくらい空間的距離を置けばいいかは、デリケートなものです。
見ず知らずの人はこれくらい、友人だったらこれくらい、配偶者や恋人だったらここまでOK、というぐあいに、人は無意識のうちに相手によって接近する距離に線引きをしています。
たとえば、空いている電車やエレベーターで、あなたの隣にピッタリと知らない人がくっついてきたら、どう感じるでしょうか。
「なにを企んでいるんだろう?」と不審に思ったり、違和感を覚えるでしょう。
そしてたいていの人が相手と距離を置こうと場所を移動するのではないかと思います。
これは、相手があなたのパーソナル・スペースに侵入してきたために不快な気分になり、とった行動です。
パーソナル・スペースとは、人が自分の周囲に持っている、他者の侵入を拒む空間のことで、この距離は相手によって広がったり縮んだりします。
左の表は、文化人類学者のエドワード・ホールが作ったパーソナル・スペースの空間目安です。
たとえば満員電車や街の雑踏がストレスになるのは密接距離だから…
恋人や親子など、かなり親しい相手に許す距離に、見知らぬ人が入り込んでいるからです。
パーソナル・スペースについては、女性より男性のほうが「広い空間が欲しい」という欲求を持っています。
狭い部屋に男性数名を入室させた場合と、女性数名を入室させた場合、女性のほうは友好的な雰囲気になりますが、男性のほうはお互いにコンタクトをとろうとすることもなく、攻撃的で怒りっぽくなることが実験によって明らかになっています。
8つの距離でわかる相手の心理
密接距離(近接相)0〜15cm:かなり親しい2人が使う距離。愛撫、格闘、慰め、保護などを目的としており、体を触れ合うコミュニケーションが多くなる。
密接距離(遠方相)15〜45cm:手が届く距離で、やはり親しい2人が使う。電車などでこの距離まで他人が近付くと、ストレスを感じる。
個体距離 (近接相)45〜75cm:手を伸ばせば届く距離で、恋人や夫婦なら自然な距離だが、それ以外の異性がこの距離に入ると誤解を生じやすい。
個体距離(遠方相)75〜120cm:お互いが両手を伸ばせば届く距離で、個人的な用件を伝えたいときなどに使われる。
社会距離(近接相)120〜210cm:身体的な接触が難しい距離であり、仕事をするときの仲間との距離にふさわしい。
社会距離(遠方相)210〜360cm:改まった仕事の話などに使われる距離で、何かをしたいときには相手を気にすることなく作業ができる。
公衆距離(近接相)360〜750cm :表情の変化はとらえにくいが、簡単なコミュニケーションならとれる。質疑応答も可能。
公衆距離(遠方相)750cm以上:講演や演説に使われる距離で、一対一のやり取りは難しい。身ぶりなどのコミュニケーションが必要になる。
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