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最後の晩餐にはどんな意味があったのか?

イエスは十字架にかけられて処刑される前夜、12人の弟子たちと一緒に卓囲み、最後の食事をしたといいます…
これがみなさんのご存知の「最後の晩餐」です。

「新約聖書」の「マタイによる福音書」などに伝えられるところによれば、食卓の席でイエスは、自分と同じ器に手をつけている者が自分を裏切ると語ったといいます。
いうまでもなく、イスカリオテのユダのことです。

しかし、この場ではイエスは誰が自分を裏切るのか名を明かしていません。
そして、イエスはパンを弟子たちに分け、「取って食べなさい。これは私の体である」と言いました。
さらに、ワインの杯を手に取り「これは、多くの人々のために流す私の契約の血である」と言ったとされています。

「新約聖書」の中でも「ルカによる福音書」では、パンを分けたとき「私を記念するため、このように行ないなさい」という言葉が出てきます。
イエスは、弟子たちの一人が自分を裏切ることの他に「お前たちは、私のことを知らないと言うだろう」と神妙な発言をしています。

これはずばり、イエスが世を惑わす危険分子として逮捕されたのち、弟子のペトロが、イエスの仲間ではないかと疑われたとき、その場では「そんな人は知りません」と答えたことを予言しているのです。
このようにイエスは、最後の晩餐のとき、自分に死が迫っているということを、深く自覚して真摯に受け入れていたようです。

もっとも、弟子たちの危機感がどれほどのものだったかはよくわかりません…
何しろ「ルカによる福音書」では、晩餐のあと、弟子たちは誰が一番偉いかで論議を始めたというのですから。
ちょっと言葉は悪いが、脳天気な話でもあります。

とはいえ、最後の晩餐のとき、実際に弟子たちはこれをお祭りのような宴として受け止めていた可能性もありました。
聖書の記述によれば、この晩餐は、ユダヤ教での「過越祭」の食事だったからです。

過越祭は春に行なわれる儀式で、古代にユダヤの民がエジプトから出立したことを記念するものでした。
過越の宴では、パン種の入っていないパン(つまりイースト菌で膨らんでいない固いパン)と、羊の肉を食べます。

かつてユダヤの民がエジプトから出て行くとき、生贄の羊を神に捧げてその血を家々の戸口に塗りました。
神は不信心なエジプトの民に審判を下しましたが、戸口に羊の血が塗られているユダヤの民の家の前だけは過ぎ越したといいます。
深読みすれば、ユダヤの民を救う目印となった生贄の羊と、多くの人々のため犠牲として十字架にかけられたイエスを重ね合わせることができるのです。

後代のキリスト教会のミサ(聖餐)は、この過越の宴にならったものです。
最後の晩餐でのイエスの言葉通りに、パンをイエスの肉に見立て、ワインをイエスの血に見立てて、参列者に分けるようになっています。

ヨーロッパでは中世以降、最後の晩餐は、キリスト教美術でよく描かれるモチーフとなりました。
中でも、ルネサンス期の15世紀末に描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はよく知られています。
これは、ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の壁画です。

なお、ダ・ヴィンチの絵ではやたら横長のテーブルにイエスと弟子が横一列に並んでいますが、聖書には本当にこんな極端に細長いテーブルだったという記述はありません。
他にも、円卓を囲む形に描かれた絵も残っています。



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