山形県指定民俗文化財である「黒森歌舞伎(くろもりかぶき)」をご存知でしょうか。
実に280年以上の歴史を持ち、日本で唯一の寒中歌舞伎としても知られています。
それでは2018年の黒森歌舞伎の正月公演と酒田公演についてご紹介します。
◇正月公演(屋外)
会場:黒森日枝神社境内(酒田市黒森村中47)
日時:2018年2月15日(木)、2月17日(土)
入場料:無料
◇酒田公演
会場:酒田市民会館「希望ホール」(TEL:0234-26-5450)
日時:2018年3月4日(日)
入場料:前売券500円、当日券700円 ※全席自由
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黒森歌舞伎とは?
名前からして、黒森で行なわれている歌舞伎だとわかるはずです。
しかし、ここで特殊なのは役者たちの素顔なのです。
原則として、役者はすべて黒森の住人で構成され、よそ者が加わることは許されません。
こうした一座を妻堂(さいどう)連中と呼び、黒森の農村歌舞伎は280年の歴史があるといいます。
現代では農村歌舞伎自体が少なくなり、山形県の無形民俗文化財の指定を受け、一座によそ者を加えないという習わしはなくなっています。
そんな中でも、伝統を守り続ける存在は貴重であり、東北地方では福島県の檜枝岐歌舞伎と並んで「冬の黒森、夏の檜枝岐」と呼ばれ、「二大農村歌舞伎」として知られているのです。
黒森式歌舞伎が行われるのは、日枝神社の境内にある演舞場…
およそ50演目の古典歌舞1仅が伝承されていますが、上映されるのは一演目で、これは前年3月の時点で神託によって決められます。
そこから役者たちは稽古を積んで、一年後の本番に備えるのです。
当日は、神楽の披露や小学生による少年歌舞伎などが上演されたあと、メインイベントである本狂言が始まります。
かつては地元住人中心の催しだった黒森歌舞伎ですが、近年は全国から歌舞伎ファンが訪れるようになり、また一座が県外公演に出向くことも増え、舞台の迫力は折り紙つきです。
また、屋外での寒中歌舞伎は国内唯一であり、雪が舞い散る中での観劇というのも一層趣を増すことでしょう。
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