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不安な気持ちに襲われたとき、「誰かと一緒にいたい」と思ったことはありませんか?
たとえば、緊張する試験会場で知ってる顔を見つけると、その人とあまり親しくなくても、なぜかホッとするものです。
また、これから手術や検査などこれから大変で怖い思いをしなければならない、という時に同じ境遇の人が隣にいたりすると、一人の時よりも数倍気持ちが落ち着き、私だけではない!とい思いから頑張ろう!という気持ちになったりします。
では、なぜ人は不安になったときなどに、誰かと一緒にいたくなるのでしょうか?…
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なぜ不安な気持ちのときに人と一緒にいたくなるのか?
第一には、不安なときには他の人と一緒にいることで、その不安から離れたいという欲求が強くなるから…
ですので不安なときに一緒にいたい相手は、誰でも良いわけではなく、同じような境遇だったり、自分に似た性格の人を求めることが多いのです。
人には「似た者同士」で肩を寄せ合って生きていこうとする習性があるのです。
もう一つの理由は、自分が今置かれている状態を把握するため、他の人の様子を見たいという欲求からです。
人には、自分と良く似た境遇の人を比較の対象に選んで、自分の性格や能力をはかろうとする傾向があるのです。
たとえば試験会場で、他の受験者の様子が気になることがありますが、それは比較の対象を探して、今の自分の状態を確かめようとするからなのです。
人は、ただ「不安で寂しいから」というだけでなく、さまざまな理由から「自分に似た誰か」を求める傾向にあるのです。
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心理学における親和欲求
「デートで遊園地の絶叫マシーンに乗ったり、お化け屋敷に行くと二人の距離がテートで縮まる」とよくいわれます。
恐怖心から「誰かと一緒にいたい」と思うようになり、2人の仲がいっそう深まるというわです。
恐怖体験が人間関係にどのような影響を及ぼすかについて、心理学者のシャクターは次のような実験を行いました。
まず、被験者の女子大生を2つのグループに分け、片方には「かなりの痛みをともなう電気ショック実験を行う」と説明し、もう片方には「痛みはほとんどないので、心配はいらない」と説明します。
その後、両方のグループに対し「待ち時間は一人で待つか?、それともグループで待つか?」と確認をとったところ、痛みをともなうと脅されていた被験者の多くは、「グループで待ちたい」と答え、心配ないといわれていた方は、多くが「どちらでもいい」と回答しました。
このシャクターの実験によって、人には、強い恐怖心にさらされると、誰かと一緒にいたいと思う欲求があることがわかりました。
このように「誰かと一緒にいたい」と願う気持ちを、心理学では「親和欲求」と呼び、恐怖心が高まるほど、その欲求は高まると指摘されています。
というわけで、「絶叫コースターに乗る」、「ホラー映画を見に行く」などは、使い古されたテクニックのように思えますが、心理学の見地から見れば、いつの時代も成立する心理ワザだったのです。
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