カナダの心理学者ヘッブは「人間はもっとも理性的な動物であるが、同時にもっとも感情的な動物である」と言ったといいます。
怒り、悲しみ、喜びなど、突き詰めれば“快”、“不快”の感情に突き動かされて、わたしたちは生きているというのです。
人間の最初に生まれた感情は、「恐怖」であるといわれています。
人間が生きていくために、生命を脅かすものを直感的に見抜き、回避するために恐怖の感情がはじめに発達しました。
そこから、悲しみや怒りが分岐していったのではないかというのです。
恐怖が呼び起こされるのは、生存の欲求があるから…
つまり、感情は人間の欲求と密接に結びついているともいえるのです。
欲求が満たされる喜びや満たされない不満は、喜びや怒り、悲しみなどの様々な感情を生み出します。
そして、それらの感情体験は、次なる願望実現のための原動力ともなるのです。
心理学的には、感情のスイッチを入れるのは、「認知」と「身体反応」の2つだと考えられています。
五感を使って対象をとらえ、対象についの情報を処理(認知)したことによって、震えなどの身体反応が生まれ、感情として認識されるというのです。
脳生理学的には、怒りの感情を発したときは、主にノルアドレナリンという物質が、驚きの際には、主にアドレナリンという物質が、快感を感じているときは、主にドーパミンという物質が分泌されるといいます。
これら脳内物質の組み合わせによって、様々な感情がつくられるのです。
自分の意志で容易にコントロールできないのが、感情の難しいところでもありますが…
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