ライフスタイル

イスラムで最も重要な日「7月16日」

イスラム教(正式名はイスラーム)は、唯一絶対の神を信仰する宗教です。
また神が最後の預言者たるムハンマドを通じて、人々に下したとされるクルアーン(コーラン)の教えを信仰しています。

ここでは、そんなイスラムで最も重要な日「7月16日」についてのお話をしましょう。




Sponsored Links
 

イスラムで最も重要な日「7月16日」


ムハンマドがメッカで布教をはじめた当初、彼の教えは寛容と好奇の目で迎えられました。
ところが改宗者が続出すると、権力者たちはムハンマドとムスリム(イスラム教徒)たちの弾圧を開始します。

アラブ社会伝統の多神教信仰が盛んなメッカで、唯一神を信仰するイスラム教を受けいれるわけにはいかなかったのです。
619年になると、ムハンマドの有力な後ろ盾だった伯父と妻ハディージャがたて続けに亡くなります。

メッカでの布教に限界を感じたムハンマドは、新天地を探しはじめました。
そんな折、メッカの北500キロほどのところにあるヤスリブから、アラブ部族間の闘争の仲裁をして欲しいという依頼がきます。
まさに渡りに船だったのです。

ムハンマドは、ムスリムの保護を条件に、これを承諾します。
かくして、ムスリムのヤスリブ移住「ヒジュラ(聖遷・せいせん)」が始まります。

しかし権力者たちは、ムハンマドの暗殺を試みます。
この動きを察知していたムハンマドは、従弟アリー・ターリブの協力を得て友人アブー・バクルと共にメッカを脱出します。

追っ手も迫っていましたが、無事ヤスリブにたどりつきます。
この事件が起こった622年7月16日は、イスラム史においてもっとも重要な日とされ、のちにヒジュラ暦(イスラム暦)元年の元日と定められました。

ヤスリブに落ちついたムハンマドは、預言者の枠を超え、政治的・軍事的指導者としての地位を確立していきます。
まずは、かねてからの依頼であるヤスリブの部族間闘争を調停し、町全体をひとつの共同体とする協定を結ばせました。

その土台となったのが信仰です。
ヤスリブの人々を、みなムスリムとしたのです。

まもなく、ムスリム社会は発展しはじめ、「ウンマ(イスラム共同体)」を結成していきます。
そしてヤスリブの町も、メディナ(預言者の町)と改称されるまでにいたるのでした。

イスラム教と戦争は、まさに切っても切れない関係にあります。
それは、ムハンマドの生涯からもうかがえます。

ムハンマド率いるウンマは、メッカの隊商交易を妨害し、急速に勢力を拡大していきました。
624年、その報復としてメッカ軍がメディナに侵攻してきました(バドルの戦い)が、メディナ軍はこれに勝利します。

しかし、翌年のメッカ軍による侵攻(ウフドの戦い)では、多くの離反者を出して大敗…
以降、ムハンマドは組織固めを進めることになりました。

さらに627年、1万人のメッカ軍がムスリム殲滅(せんめつ)をねらって攻めてきます。
この戦いでは、メディナの周囲に塹壕(ざんごう)を掘って応戦(ハンダクの戦い)し、撃退に成功します。
これを機にムスリムの地位は安定し、より強力な組織を形成していきます。

そして630年、ムハンマドが1万人の大軍を率いてメッカに向かうと、勢いに圧倒されたメッカ軍は戦わずして降伏します。
ついに念願のメッカ入城を果たすのです。

しかし、ムハンマド自身はメディナに帰還し、さらなるウンマの確立につとめました。
敵対する部族を平定し、アラブの大半の部族がイスラム教へと改宗します。

こうしてアラビア半島は、信仰をもとに統一されていきました。
632年、ムハンマドは、死ぬ直前に再度メッカを訪れています。

これは「別れの巡礼」と呼ばれ、随行したムスリムはなんと12万人…
イスラム教の最重要儀礼のひとつ「ハッジ(大巡礼)」は、これを規範としているのです。

別れの巡礼から戻った直後、ムハンマドの体調は急激に悪化し、そのまま帰らぬ人となりました。
享年62歳、最初の啓示が下ってから、22年の歳月が経過していました。


関連記事

  1. 2018年凧市(王子稲荷神社)の時間とアクセス(駐車場)
  2. なぜ男は「難しい話」を女にしたがるのか?
  3. 夢占いで「蛇」が縁起が良いとされるワケとは?
  4. 「ひもはある?ない?」…男の靴で見抜ける性格チェック法が必見!
  5. 縁結びだけではない…パワースポット「出雲大社」の効果とご利益とは…
  6. 職場や友達など…苦手な人との付き合い方はどうすればいいのか?!
  7. あなたがやる気を出すためには何が必要なのか?
  8. 「一富士二鷹三茄子」の続きは「四〇五〇六〇」?!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ

「B型✖牡牛座」の性格や芸能人と言えばコレ?!

血液型や星座などから、その人の性格や相性などが見えてくることがあります。ここでは「B型✖牡牛座(…

人間関係は「変化する」ということを知る…

故メアリー・タイラー・ムーアは言いました。「お互いが他人同士である、と理解するには、相手のことを本当…

ほうきを踏んではいけない…と言われるワケとは?

こんなことわざを聞いたことはありませんか?…「ほうきを踏んではいけない」、「妊婦はほうきをまたい…

2018年の小正月(こしょうがつ)は「1月15日」のワケとは?

地方によっては、小年(こどし)、二番正月、女正月(おんなしょうがつ)、戻り正月と呼ぶこともある「小正…

夢占い…「約束する夢」を見たときには?

友人との約束する夢を見た…約束を破る・破られる夢を見た…その他にも結婚の約束などができる夢を…

月別アーカイブ

2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
Sponsored Links

おすすめ記事

  1. 好きな人と結婚できるおまじない
  2. AB型男性の特徴と恋愛における攻略法とは?!
  3. 1日1回やるだけで心の痛みを和らげる3つの方法
  4. 「春のお彼岸」2018年はいつからいつまでなの?
  5. 「ライフパスナンバー7」はどんな人なの?
Sponsored Links
PAGE TOP