最後の預言者・ムハンマドを通じて人々に下したとされるクルアーン(コーラン)の教えを信じて従う一神教…
それがみなさんご存知の「イスラム教」です。
その「イスラム教」には「喜捨(きしゃ)」というものがあります。
今回はそんな「喜捨」のお話です。
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イスラム教の喜捨とは何か?
五行で3番目の柱となっているのが喜捨(ザカート)です。
「喜捨(きしゃ)」という言葉の本来の意味は、進んで金品を寄付することです。
しかし、五行はムスリムにとって義務であるため、日本人が考える喜捨とは少し様子が違います。
そもそもイスラム社会では、貧窮者への施しを称賛すべき行為として推奨しているのです。
それが五行の喜捨という形で制度化されることによって、ムスリムには、さらなる特別な行為と受けとめられているのです。
「コーラン」では、まず困っている親類縁者を助けよといいいます。
次に、孤児や貧しい人々…
そして、彼らの尊厳を冒すことなく喜捨をするように、と定めているのです。
喜捨をしたからといって、あとで恩着せがましくしたり、えらぶったりしてはならないとクギをさしているのです。
喜捨は、貧窮者に直接渡すこともでき、地域のモスクに一括して納めたり、宗教指導者(イマーム)に預けたりすることもできます。
現代においては、喜捨は税金の形でも存在します。
支払能力のある者から喜捨を徴収することが、イスラム国家の務めというわけです。
課税される割合は、宗派や資産の種類によってさまざま…
それぞれの収入資源と貯蓄の両方に課せられます。
ただし、一般の税金と違うのは、貧しい者の救済にあてるという特定の目的がある税金であるということです。
救済の対象は、ジハード(聖戦)で夫を亡くした貧しい巡礼者、借金を返済できない者、新規改宗者などとなっています。
国によっては、病院や学校の建設といった社会福祉に使われることもあります。
日本のような非イスラム国に住むムスリムは、喜捨をどうしているのでしょうか?…
それは、各個人の自発性に任されています。
ムスリムどうし、たがいに喜捨を怠らないよう注意をうながしあっているようなのです。
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