日本には様々な慣習があります。
その中でも縁起が良いとされるものいくつかあるかと思います。
たとえば「茶柱が立つと縁起が良い」というものです。
また縁起のいい夢と言えば「一富士、二鷹、三なすび」というものもありますよね。
これらの縁起が良いものは、知っている、もしくは聞いたことはあるけど、意味や由来まではよく分からない…という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回はその「一富士、二鷹、三なすび」の意味や由来についてお話したいと思います。
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縁起のいい夢…「三なすび」の意味や由来とは?
初夢は新年が明けてはじめて見る夢で1月2日に見る夢のことをいいます。
このとき見る夢は、一年の吉凶を占う大事なもので、縁起のいい夢を見た人はいい年になると信じられていました。
縁起のいい初夢は、「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三なすび」といわれています。
でも、これちょっと不思議ではありませんか?
富士山の夢が吉兆であるのはわかります。
日本の象徴であり、その美しく雄大な姿は、多くの人に愛され、また信仰の対象にもなっています。
ナンパーワンが富士山というのはうなずけます。
2位の鷹も、まあ理解できます。
鷹は勇壮で、気高い鳥で、狩人としても優秀です。
鷹狩に用いられるように、武士の高貴な趣味としても知られていますから、縁起のいい夢の素材となったのでしょう。
しかし、3位のなすびはどうでしょうか?…
なぜ、なすびが縁起のいい夢の3位なのかご存じでしょうか。
実は、富士山も鷹もなすびも、徳川家康の出身地である駿府(すんぷ)の名物なのです。
雄大な富士、気高い鷹、そしてなすびは、家康の大の好物だったといいます。
そのため、天下人と同じ夢を見るのは縁起がいい、家康にあやかって出世したいという庶民の夢が、「一富士、二鷹、三なすび」になったといわれているのです。
その他にも江戸時代の駒込の地の名物を3つあげたとする説もあります。
ちなみに、いい初夢を見るために、江戸っ子は宝船の絵を枕の下に入れたり、床の間にかけたりしていました。
当時、宝船の絵には「永き世の遠(とお)の眠(ねぶ)りの皆めざめ波乗り舟の音のよきかな」という歌が書かれていました。
これは、上から読んでも下から読んでも同じ、いわゆる回文になっています。
終わりがないからめでたいとされる回文を寝る前に3度唱える…
これが、縁起のいい初夢を見る秘訣だといいます。
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