「拈華微笑」(ねんげみしょう)…
この言葉は、釈尊(ゴータマ・シッダールタ)がある説法のとき無言で一輪の花を差し出すと、ただ一人の弟子だけが微笑を返し、釈尊はその弟子に真実のいっさいを伝えたという故事によるものです。
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拈華微笑(ねんげみしょう)の意味から微笑みの大切さを知る
「拈華微笑」とは、一輪の花を拈み、微笑むことです。
「真意は心から心に伝わるものだ」ということを示す禅語です。
霊鷲山(りょうじゅせん)での法絵(ほうえ)の席で、説法を聴くために詰めた会衆(えしゅ)を前に、釈尊は何も言わずに、手にした金波羅華という花を差し出しました。
そこには大勢の弟子がいましたが、みな何もわからず黙ってしまいました。
このとき、ただ一人、摩訶迦葉(まかかしょう)だけがにっこり微笑んだのを見て、釈尊は言ったのです。
「私に正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)、涅槃妙心(ねはんみょうしん)、実相無相(じっそうむそう)、微妙(みみょう)の法門(ほうもん)がある。
不立文字(ふりゅうもんじ)、教外別伝(きょうげべつでん)、一切を今、摩訶迦葉に伝える」と。
教外別伝とは、文字やことばで伝えられないことを意味します。
この故事から「拈華微笑」の語が生まれ、禅門では「以心伝心」(心をもって心に伝える)で仏法の真髄を伝えるという意味でつかわれます。
では、なぜ摩訶迦葉が微笑んだのか?…
この場で、真に無心であったのは摩訶迦葉だけで、釈尊の真心をただ一人心で理解し、それを言葉でなく微笑で返したということなのでしょう。
つまり人は微笑みだけでも心は通う…
ということですね。
拈華微笑(ねんげみしょう)の意味から微笑みを大切さを知っておきましょう。
またこのとき釈尊が言った「正法眼蔵」や「涅槃妙心」、「実相無相」に「不立文字」などは仏法の真髄を示すことばとしていまに生きています。
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