一度会った人の顔って、その時は絶対覚えた!と思っていても、次に会う時に、記憶がぼやけてしまって、同じような人がいると記憶違いを起こしてしまうことが多々あります。
どのように記憶をしている為、そのようなことが起こってしまうのでしょうか。
また、人の顔を一度見ただけで、しっかりと記憶している人は、一体どのように記憶をしているのでしょうか。
人の顔を確実に記憶している人と、記憶違いをしてしまう人の違う点に注目してみました。
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人の顔を覚えるのが得意な人は固有情報に注目している?
「一度会ったことがある相手と待ち合わせをしたのに、全然違う人に挨拶しちゃって大恥をかいた」
そんな失敗談はしばしば起こります。
こうした記憶違いはどうして起こってしまうのでしょうか。
記憶は、記銘、保持、想起、忘却という流れで行われています。
記銘は、ある情報を憶えることです。
いつも見かける顔を”Aさん”だと刷り込むのがこの作業です。
保持は、憶えた情報を保存しておくことです。
Aさんの顔と名前を一致させて記憶のなかに残しておくことがこれにあたります。
そして想起は、保持してある情報を取り出す行為にあたります。
そして、いらなくなった情報は、忘却されていきます。
この中で記憶違いを起こしやすいのが想起です。
想起には再生と再認と再構成の方法があります。
再生は、なんの手がかりもないところから記憶を呼び起こすこと、再認とはいくつかの候補のなかから、正しい情報を選び出すこと、再構成とは情報を㯴成する要素をつなぎ合わせて構成しなおすことを言います。
冒頭の例では、待ち合わせ場所にいる人々のなかから、記憶されているAさんを再認したわけですが、この再認は、想起のなかでもっとも簡単そうにみえて、落とし穴があるのです。
たとえばAさんを記銘するとき、メガネをかけた丸顔の人、と刷り込んでいたとしましょう。
再認の作業の際に、似たような特徴の人がいると、それをAさんだと取り違えて認識してしまうのです。
つまり、ありふれた特徴しか持たない情報は、類似情報に惑わされやすいということで、憶えやすさと裏腹に、あやふやになりやすい危うさも抱えています。
人の顔を確実に記憶するためには、どうしたらいいのでしょうか。
それには孤立効果を利用するとうまくいきます。
孤立効果とは、ほかとまったく違った特徴は記憶されやすい、ということです。
前項の例のような、メガネをかけている、丸顔であるというようなありふれた情報を記銘しても、正確な想起に結びつけることが難しくなります。
それではどんな記憶ならいいかというと、かぎ鼻である、口がとても大きいなど、なにかきわだった印象があると、正確に記憶されやすくなるのです。
つまり、ほかの人とはまったく違う、その人固有の情報は、記憶の再認の際に、間違えずに済む確率が高いということです。
ですから、顔を憶えるときは、なるべくその人ならではの特徴的な部分を見つけだして記憶するようにすると、うまくいきます。
顔全体の印象をただ漠然と憶えるよりは、耳が小さい、あごにホクロがある、こめかみに小さな傷があるなど、その人だけの特徴を見つけて記憶するようにしてみましょう。
といっても、きわだった特徴がなにもない人もなかにはいるものです。
そんなときは、顔全体を見たときの印象を、その人と結びつけて記憶する方法が効果があります。
たとえば最初に顔を見た印象で「明るくて元気な人」と感じると、「明るい」「元気」というキーワードを聞いただけで、その人の顔を思い浮かべやすくなります。
これを意味処理優位性効果といいます。
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