12月24日のクリスマス・イブの夜に、子どもたちのもとにプレゼントを持って訪れるとされるサンタクロースの伝説は誰でも知っていることでしょう。
白い髭を生やし、大きな袋をかつぎ、空飛ぶトナカイに引かれたソリに乗ったサンタクロースのイメージは世界共通です。
しかし、このサンタクロースは、実在したキリスト教の聖人がモデルになっているという説はご存じだったでしょうか。
サンタクロースのモデルと考えられているのは、4世紀東ローマ帝国の司教・聖ニコラウスです。
慈悲深い司教だったニコラウスは、自分の担当地区に、もとは裕福な商人だったが、家業が傾いたせいで3人の娘に売春をさせなければならなくなってまった貧しい家族がいることを知ります。
そこでニコラウスは真夜中に一人でこっそりとその家を訪れ、大量の金貨を置いていきました。
この行為は2回ほど続き、3人の娘たちは金貨のおかげでそれぞれ結婚できることとなったのですが、誰がお金を恵んでくれたのかは知りませんでした。
父親が恩人を知ろうと夜通し見張っていると、またしても金貨を届けに来たニコラウスを発見…
父親は司教の足元にひざまずき、涙を流しながら感謝したといいます。
この伝説がもととなり、プレゼントを届けてくれるサンタクロースの伝説が生まれたのだとされています。
ちなみに、ニコラウスは窓から金貨を投げ込んだとも言われていますが、煙突から投げ入れ、その金貨が暖炉に吊るされていた靴下の中に入ったという伝説もあるのです。
このため、サンタクロースが煙突からやってくるというイメージや、プレゼントを靴下の中に入れる風習が生まれました。
この他にも、ニコラウスには冤罪で捕われていた人々を救ったという伝説もあり、そのことから「無実の罪に苦しむ人の守護聖人」ともされています。
また、人肉売買をしていた肉屋に誘拐されて7年間塩漬けになっていた子どもたちを助け出し、復活させたという伝説から、「子どもの守護聖人」ともされており、ほとんどのキリスト教宗派において信仰の対象となっているのです。
この記事へのコメントはありません。