「部長が横から口を出すから、仕事が終わらなくなっちゃったよ!部下にも頼めないし、困ったなあ~」…
「お隣の息子さんは優秀なのに、どうしてうちの子はこんなにできが悪いのかしら」…
年をとるとグチが多くなります。
比較的女性の方がグチが多いといわれていますが、どうしてなのでしょうか。
グチは怒りの表現の一つとして認められています。
自分の期待と希望が裏切られたことに対する怒りが、根底にあるのですね。
怒りを行動で表わしやすい男性に比べ、怒りをストレートに対象にぶつけることができない女性は、グチとして表出しがちなのです。
また、グチには聞き手が必要であり、グチを嫌がらずに聞くだけの親密さが必要になります。
一般に、男性よりコミュニケーション能力が高い女性の方がグチを聞いてくれる相手を確保しやすいということも、理由の一つだといえるでしょう。
グチを聞いてもらうことは、心理療法に似ていまう。
グチを聞いてもらうと、サッパリするのはそのためなのです。
「カタルシス(抑圧された感情を表出することで、心的緊張を解消すること)」を得るからです。
グチをこぼしたいというのは、誰にもある欲求…
しかし、グチの多すぎる人は敬遠される傾向にあります。
グチをこぼすという行為は、本来なら他人には知られたくないことも打ちあけることになるため、一見「自己開示」に似ています。
しかし、自己開示は相互性のあるコミュニケーションであるのに比べ、グチには“わたし自身”しかないため、相手は好意をもつことができないのです。
聞き手に求められているのは、話に根気よく耳を傾けて共感し、同情することだけ…
つまり、意見は求められていないのですね。
したがって、意見や助言する相手には、グチをこぼさなくなります。
それは、カタルシスの快感を得られなくなるからです。
いつもグチを聞かされてうんざりしているという人は、試しに相手を批判したり、意見をいってみるといいでしょう。
それをきっかけに、グチの聞き役から解放されるかもしれません。
それでは、いったいどんな人がグチの多いグチラーになるのでしょうか?…
自分の欲求を満たすために、人に働きかけることが苦手な人は、グチラーになりやすいといわれています。
他人への自分依存度が高い人は、「自分を助けてくれる」、「自分の気持ちを察してくれる」という甘えが根底にあります…
そのため、期待が裏切られたことに対する怒りがよく発生し、グチっぽくなりやすいのです。
グチは怒りの表現のひとつですが、グチとして表出された時点で、怒りは恨みに変わっていることも多いのです。
つまり、怒りに対して前向きに対処できない人は、いつまでも怒りを抱えることになるため、それが恨みになり、グチになって出てしまうのですね。
このごろめっきりグチっぽくなったという人は、たまった怒りやフラストレーションがグチになる前に、気分転換する手段を確保しておいた方が良いでしょう。
思いあたるフシのある方も多いのではないでしょうか?
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