さて、ここに野球が好きな少年がいて1万回の素振りをするとしましょう。
10000回バットを振れば、それなりに上達すると思われるからです。
たしかに10000回もバットを振れば、少なからず上達するでしょう。
ではここで問題です。
この少年はどのタイミングで上達しているのでしょうか?
「10回目?」、「100回目?」それとも「500回目」でしょうか?
あるいは「10000回目」に成長しているのでしょうか。
これは単純なようですが、なかなか難しい問いです。
「10000回素振りをすればうまくなる」といっても、10000回の素振りを終えた瞬間に突然うまくなるわけではありません。
実際には、1回、2回、3回という繰り返しの中で、少しずつうまくなっているわけです。
逆にいえば、1回目、2回目、3回目に少しずつ変化し、成長していなければ、10000回の素振りをしても成長は見込めません。
まさにここに「時間の本質」が隠れています。
素振りは10000回あったとしても、その瞬間、瞬間は1度しかなく、その都度成長しなければ、時間は無駄になってしまうということ…
ひょっとすると、多くの人が「自分は代わり映えのしない毎日をただ漫然と暮らしている」と感じているかもしれません。
しかし、それは大きな間違いなのです。
もし、そうだとしたら、実に残念な時間の浪費、命の無駄遣いです。
1回、1回の素振りを無駄にしているのと同じです。
私たちは、今という(すぐに消え去ってしまう)時間を大事に生きて、ちょっとずつでも成長していかなければいけません。
本来的には、「代わり映えのしない一日」など、存在しないのです。
ただ私たちは、その変化を体感できていないだけ…
体感できるほどの変化は、その積み重ねからしか生まれないものだからです。
「一期一会(いちごいちえ)」という言葉をご存知でしょうか?
「人と会うとき、その出会いは一度きり」という意味にとられがちですが、この言葉の本来の意味合いは、「人に会う」ことに限った話ではありません。
もっと広い意味合いで「すべての物事との出会いはたった一度しかない」というのが本当の意味です。
「すべての物事との出会い」とは、「時間との出会い」に他なりません。
時間管理の基本とは、「今というたった一度しかない瞬間をどう生きるか」に尽きます。
単純に時間を区切って、「そこで何をするか?」というスケジューリングの話ではありません。
すぐに消え去っていく時間…
その積み重ねの中で、自分がどう変わり、成長していくのかを意識するのです。
これこそが、「命」という時間を生かす管理術です。
あなたは、「今」というかけがえのない時間を無駄にしてはいませんか?
この点をもう一度、考えてみましょう。
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