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「イスラムの聖典」と「イスラムの法典」の違いとは?

目次

イスラム国で有名になってしまったイスラム教…
本来は、唯一絶対の神(アラビア語でアッラーフ)を信仰しており、神が最後の預言者たるムハンマドを通じて人々に下したとされるクルアーン(コーラン)の教えを信じる宗教です。

さて、そのイスラム教には「イスラムの聖典」と「イスラムの法典」というものがあるのです。
この2つの違いをご存知でしょうか。

今回はこの2つの違いについてお話しましょう。



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イスラムの聖典


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イスラムの根本聖典は「クルアーン(コーランは西欧の訛りを受け継いだ呼称)」といいます。
この聖典「クルアーン」は、イスラムの神アルラーが預言者ムハンマドを通じて啓示した言葉を記録した書とされています。

つまり、これは神の言葉そのものであるため、ムハンマドの言行を伝承する書は「ハディース」として別にまとめられています。
「クルアーン」と「ハディース」は、神の啓示とそれを解釈するために依拠する範例(特に、スンナと呼ばれる部分)という関係にあります。

聖典「クルアーン」は、ムハンマドが最初ヒラー山の洞窟で天使ガブリエルを通して神の啓示を受けた610年頃から、632年に死を迎えるまでの約20数年間に、事あるごとに神から下された啓示を集録したものです。
当初それは、記憶によって保持されていましたが、後に三代目のカリフ(ムハンマドの後継者)ウスマーンの時、聖典として集録されました。

「クルアーン」は全体が百十四の章に分かれ、各章はさらに数節からなっています。
各章の長さはまちまちで、概して初期の啓示を集録した章ほど短いため、長いものから順に配列されている現行の「クルアーン」は、ほぼ新しい時代から古い時代に遡るという逆の順序になっています。

「クルアーン」の意については、いくつかの解釈がありますが、「唱えるもの、読誦されるもの」との解釈が最も広く用いられています。
それは、「クルアーン」の原典が神によって天上に護持されていた書附(書板)であり、それを天使ガブリエルがムハンマドに読み聞かせたもの、とされていることにも通じるものです。

クルアーンの言葉は、ムハンマドの時代に使用されていたアラビア語の方言の一つとされていますが、今日ではそれがアラビア語圏の標準語になっています。
「クルアーン」の魅力の一つは、唱えることに適したアラビア語による朗々とした誦出にあります。

「クルアーン」の各章にはそれぞれ題名が付されていますが、この題名はその章の主題を表わすものではなく、章を区別するたんなる名前にすぎません。
また第十二章ヨセフを除く各章には、聖書などのような一貫したストーリーの展開はないといわれます。

それは、「クルアーン」が人為的な編集を排除していることによります。
その中で繰り返し強調されているのは、「汝らの神は唯一なる神」ということです。

そして、「クルアーン」は、人間の生なる世界における神の恩恵のみならず、この世界そのものの終末についても詳しく説いています。
そこでは、死者もすべて神の前に再び呼び出され、あらためて神の審判を受けることが記されていますが、この審判では、各自の信仰と行為だけが問題となることを明示しています。



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イスラムの法典


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ムスリム(イスラム教徒)が信仰者として守るべき規範を定めた聖法を「シャリーア」と呼びます。
「シャリーア」とは、「水場への道」「従うべき純正な道」を意味しています。

これは、遊牧民にとって水が生命をも意味することから、人間を導く正しい道の語意として用いられるようになったものです。
ムスリムは、この「シャリーア」によって信仰的生活のみならず、世俗的(現世的)生活のあらゆる側面を具体的に規定されています。

ムスリムの生活規範は、次のような義務を含む権利から成り立っています。

1:神より与えられたすべての義務を果たす権利
2:人間が自分自身に対して真実である権利
3:万人に幸福が得られるよう努める自分に対する他者の権利
4:神から与えられたあらゆる資源や能力を活用する権利

イスラムの礎石をなすこのような生活規範にもとづいて、「シャリーア」は、人々を神が啓示した正しい「行動規範」に導くため、ムスリムの全行動を五つに分類しています。

1:義務、怠れば処罰される行為
2:義務ではないが、奨励される行為
3:非難も奨励もされない、行なっても行なわなくてもよい行為
4:処罰はされないが、芳しくない行為
5:行えば処罰される禁止された行為

このようにムスリムの「行動規範」は、一般社会の法律としては全く問題にされないような事項をも含んでいます。
「シャリーア」は、「クルアーン」を中心として、預言者の範例(スンナ)、スンナによる類推(キャース)、イスラム共同体の中で受け入れられている合意(イジュマー)の4つに依拠しています。

「スンナ」とは、ムハンマドの教示や行為によって指示された聖なる慣行をいいます。
そこにはムハンマドの言葉、ムハンマドの行ない、ムハンマドによって黙認された行為や墓の3つが包含されています。

「キャース」とは、類推と推論によって「クルアーン」と「スンナ」から法律上の規定を導き出すことをいいます。
しかし、「キャース」は「クルアーン」と「スンナ」、「イジュマー」のいずれの対象ともならなかった問題についてのみ言及するとの考え方もあるため、これを用いて法解釈をするのをよしとしない人々も見受けられます。

「イジュマー」とは、イスラム共同体における権威あるイスラム学者たちの合議による見解をいいます。
「イジュマー」はイスラム法の法源とされていますが、その権威は、「イスラム共同体は過ちについて意見の一致を見ることはない」(全員が判断を過っことはない)と「イジュマー」の正当性を支持した「ハディース」に基礎を置いています。


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