「村八分(むらはちぶ)」という言葉をご存知でしょうか?…
村落(村社会)の中における掟(おきて)や秩序(ちつじょ)を破った者に対して課される制裁行為のことで、日本社会における代表的ないじめの代名詞でもあるのです。
ここでは、その「村八分」とはどのような意味を持つのか?…
この点に関して、お話したいと思います。
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村八分とはどのような意味を持つのか?
村八分とは、口をきかず目も合わさず、無視をしてつまはじきにする行為です。
現代のいじめでも村八分と同様の行為が行われ、大きな問題となっているように、村八分の対象にされた人は共同体から除外され、大きな心理的、実際的苦痛を味わうことになります。
村八分は、日本の村社会のしきたりとして昔から存在するものですが、「村八分」の「八分」とは何を意味するのでしょうか?…
かつて日本の村社会は、忙しいときは互いに農作業を手伝い、日常生活においても助け合いを基本とした相互扶助的な共同体でした。
厳しい暮らしの中では、みんなが助けあっていくしかなかったのです。
こうした共同体を維持していくためには、互いに守らなければならない決まり事が必要です。
決まりを守らない人間は、共同体の秩序を乱す存在ということになり、違反した決まり事に応じて罰則を科せられました。
その罰則のうち、もっとも重いものが絶縁、つまり共同体からの閉め出しです。
しかし、閉め出されたからといって現代のように簡単に引っ越しができるわけではありません。
当分の間、あるいはそれからもずっと村の中で暮らしていかなければなりません。
そこで、共同体からの絶縁という処分がくだっても、すべて(=十分)のつきあいを断つのではなく、八分を断つにとどめたのです。
村のつきあいには、「成人・結婚・葬式・法事・出産・病気・火事・水害・旅立ち・普請」の十種があるといわれていますが、そのうちの葬式と火事以外の八つのつきあいを断ったので村八分というわけです。
死者の放置は伝染病の蔓延(まんえん)など衛生上問題があるので、葬式への協力はします。
また火事のときは、他の家に延焼する危険性がありますから、これも共同して消火にあたります。
共同体に被害をもたらす恐れのある2つの付き合い以外から仲間はずれにされるのが村八分なのです。
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