多くの方がご存知であるインドやネパールで多数派を占める民族宗教…
またインド的伝統を指すものがヒンドゥー教です。
この長き歴史を持ち、広く信仰されているヒンドゥー教ですが、なぜかインドやネパール以外の国にはそれほど広まってはいません。
その背景にはインド社会に根付くカースト制との関係があるというのです。
それではさっそくヒンドゥー教とカースト制との関係を見ていきましょう。
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ヒンドゥー教とカースト制との関係
ヒンドゥー教の基盤をなす思想や哲学の奥深さは、世界中の知識人から高く評価されています。
しかしその評価は、世界中にヒンドゥー教を広めることにはつながっていません。
その最大の理由としてよくあげられるのが、ヒンドゥー教が「カースト制」を正当化する根拠になっているという事実です。
カースト制とは、バラモン教時代にインド社会に形成された身分制度のことです。
「バラモン(司祭)」以下「クシャトリア(王侯・武士)」、「バイシャ(庶民)」、「シュードラ(奴隷)」と続き、最下層に「不可触民(ふかしょくみん)」なる人々が置かれます。
インドの人々は生まれたときから、そのいずれかに所属しており、つける職業や結婚できる相手が制限されるのです。
ヒンドゥー教は、「輪廻(りんね)」や「業(ごう)」の観念に基づき、低い階級に生まれたのは前世で罪を犯したせいだと説き、これを容認しています。
ですので、人権思想の発達した国々では差別的とみなされ、なかなか受けいれられないのです。
現在では、法律によって差別は禁じられています。
しかし社会的には、いまだに強く意識されており、いわゆる婚活の場において、花嫁や花婿には、自分と同じカーストの出身者を望む人が圧倒的に多いというのもその表われといえるのです。
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