お金は生活をする上でとても大切です。
お金は人をダメにする、という言葉もありますが、多くの方ができればお金持ちになりたいと思っているはずです。
お金儲けをして、美味しいものを食べ、好きなものをたくさん買って、たくさん旅行に行きたいですよね。
そこで今回は、宗教の観点からこの「お金儲け」という考え方はどのように捉えられているのか….をみていきたいと思います。
四大宗教の「金持ち」や「お金儲け」の考え方
ほとんどの宗教では、強欲に金を稼いで貯めこむことを悪いことだと考え、貧しい者へ施しをすべきであると説いています。
それは、四大宗教(キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教)も同じです。
キリスト教では、イエスが「金持ちが天国に行くより、ラクダが針の穴を通る方がたやすい」と語ったとされているように、蓄財(ちくざい)は悪とされています。
そのため積極的に貧しい者や困っている者へ施しをすることが奨励されているのです。
欧米でチャリティや募金などが盛んなのは、この教えが浸透しているためだとも言えますね。
イスラム教では、戒律である「五行」の中で、信者に「喜捨(ザカート)」が義務づけられています。
これは一種の税金で、信者が1年以上所有している財産のうち、貨幣や商品には2.5パーセント、農作物には5パーセントか10パーセントが課税されるというものです。
宗教組織によって集められたのち、貧しい者などへ分配される仕組みになっています。
ザカート税は、現在のイスラム国家にも存在しています。
いわば、今も宗教が国家のかわりに富の再分配を行なっているのです。
また、イスラム教と金銭の関係で独特なのは、イスラム銀行の存在でしょう。
これは20世紀に入ってから登場した比較的新しいものですが、イスラム教の教義に則って経営されている金融機関です。
銀行でありながら、原則的に無利子で運営されています。
無利子である理由は、「コーラン」が利子をとることを禁じているためなのです。
ちなみに、ヒンドゥー教にも、イスラム教と同じように喜捨(きしゃ)の習慣があります。
イスラム教のように厳密に制度化されたものではありませんが、金持ちの多くは喜んで貧しい者に施すし、貧しい者は当然の権利としてそれを受けとる…
ヒンドゥー教で喜捨が奨励されているのは、喜捨を行なうことで徳を積めば、来世でよりよい人生を送れると考えられているからなのです。
注意したいのは、キリスト教が金持ち自体を悪とみなしているのに対し、イスラム教やヒンドゥー教では、そうではないということです。
イスラム教やヒンドゥー教では、貧者に施すために商売などで金を稼ぐことは良いことだとされています。
特に、イスラム教は、ムハンマドがもともと商人であったことも忘れてはなりません。
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本来、仏教では出家者が金銭を受けとることは一切禁じられており、労働によってお金を稼ぐこともタブーとなっているのです。
これは、金銭のやりとりをすること自体が、「執着」や「欲」を生む原因になると考えるためです。
では、どうやって出家者が生きていくのか?…
一般信者からの施しによって生活するのです。
この習慣は、現在でも東南アジアなどの上座部仏教(じょうざぶっきょう)ではきちんと守られています。
仏教は本質的には、非常に禁欲的な宗教なのです。
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