現代はネットがなくては成立しない社会です…
メールや掲示板、チャットやブログ、SNSなど、すでにコミュニケーションの手段として定着しています。
ところで、よく、人はネット上では人格が変わるといわれますが、これは本当のことなのでしょうか?
確かに掲示板の書きこみには攻撃的なものがよく見られます。
しかし、攻撃的な人ばかりが書きこんでいるわけではないはずです。
もちろん、書き手の人格が変わってしまっているわけでもありません。
理由は、ネット上では、普段はコントロールしている、その人の抑えている人格が現われやすいからなのです。
特に匿名性が保障されている場合に、この傾向が著しくなります。
何をいっても自分だとわからないので、本性を現わして言いたい放題…
しかも、同じような匿名の仲間もいるのだから、エスカレートする一方なのです。
匿名性が保障されると、隠していた本当の人格が出やすくなります。
これは、社会心理学の実験でも証明されていることなのです。
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ネット上では顔は見えません。
まじめな出会い系サイトでは、お互いの顔を知らずにメールで意見を交換し、内面的に気に入ってから直接会う…
その後、恋愛関係になる仕組みになっています。
ここでもカップルが誕生しています。
実際に会ってみたら、ルックスがイマイチ…
などということも少なくないはずですが、交際はちゃんと続行するのです。
そのメカニズムを考えてみましょう。
メールだと、面と向かってはとてもいえない口説き文句も文章にして送ることができます…
しかも不思議なことに、人間は会話よりも文章をより重く考える傾向が強いのです。
したがって、ネット上の方が密接なコミュニケーションがとれることもあるのです。
こうして、心の交流を深めた男女が、その後写真を交換したり、直接会ったりするわけなのです。
そのときには、二人とも相手に対して好意をもっている状態なので、ルックスに関してもお互いを「イメージどおりの人」と思うことでしょう。
このように、ネットを利用した恋愛は、これまでにない恋愛のプロセスを広めていく可能性があります。
また恋愛同様、きわめて濃い情動として、自殺願望があります。
死にたい願望がネット上で共感を呼ぶと、お互いに刺激しあい、集団自殺をひき起こしたりする一因にもなるのです。
近年、爆発的に流行したブログ…
その流行の背景にある心理を考えてみましょう。
ブログを書く人には、「自己開示欲求」が鬱積(うっせき)しています。
つまり、自分の本心を誰かに聞いてもらいたいという欲求が強いのですね。
しかし、人間関係が希薄な現代は、踏みこんだ話をすることはなかなか難しいもの…
そんな人にとって、ブログはうってつけの手段なのです。
なぜなら、不特定多数の読者に向かって、自分の思っていることを遠慮なく伝えることができるから…
さらにブログの読者には、他人の本心や秘密や、私生活を知りたいという強い欲求があります。
ブログの流行は、書き手と読み手の欲求がうまく一致した結果といえるでしょう。
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