人の「第一印象」というのは、結構その通りだったりすることはありませんか?
しかし、正確には第一印象そのものが、その人の性格ではないのです。
たとえば、あなたが初めて会った異性に対して、「気さくで明るそうな人だな…」と好印象を持ったとします。
そんな印象を持つと、あなたは相手に気軽に話しかけることができるはずです。
すると、話しかけられた相手も、あなたを気さくで明るい人だと思うでしょう。
そのため初めて会ったのにも関わらず、気さくに話をするようになるのです。
その様子を見て、あなたは「やっぱりこの人は、気さくで明るい人だ」と満足することになります。
しかし、この例の経過をよく考えると、もともと「気さくで明るい人だ」と感じたのはあなたで、その印象があたるように相手に応対して相手を誘導しているのです。
この心理的メカニズムを、「予測の自己実現」といいます。
自分が他人を判断するときや、また、逆の場合も第一印象は重要です。
心理学者のアッシュは、性格の特徴を並べたAとBの二つのリストを読みあげ、その後被験者に、それぞれの性格の印象を書かせる実験を行ないました。
リストの内容は、それぞれの通りです。
A:知的、勤勉、衝動的、批判的、頑固、嫉妬深い
B:嫉妬深い、頑固、批判的、衝動的、勤勉、知的
おわかりと思いますが、実はAもBも内容は同じ…
ただ順番が違うだけでなのです。
Aの方は一般的によい性格と思われている性格の順…
Bはその逆の順に並んでいます。
アッシュがAとBを読みあげたところ、結果はAの人物像は、被験者に好印象を与えました。
逆にBは、悪い印象を与えたのです。
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就職試験の面接などでは「第一印象は3分できまる」といわれますよね?
面接官は最初の1分以内で外見や雰囲気を判断し、次の1分以内で応対の様子を見ます…
そして、初対面から3分以内で、その人の内面を判断してしまうというものです。
この実験から、ある人がよい印象を持たれるか悪い印象を持たれるかは、最初に与えられた印象が決め手になることがわかります。
これを「初頭効果」といいます。
世の中には、相手に与える第一印象が悪い人もいます。
「わたしはいつも損をしている」と感じている人も少なくないでしょう。
では、こういう人はどうすればいいのでしょうか?
ここで活用するのが、心理学における「意外性」の効果なのです。
たとえば、おとなしいわけでもないのに、無口で暗い人という印象を初対面でもたれて損をしている人は、あとでギャグを言って笑わせるなど、相手にとって意外な一面を見せればよいのです。
「実はオモシロい人だったんだ」と思わせれば、好印象を与え、人気を高めることができるからです。
第一印象で与えた印象は、相手の心に大きく残ります…
しかし、それ以上のインパクトある印象を与えれば、よくも悪くも相手の印象を変えられるというわけなのです。
たまに「人を見る目がある」と自信をもっている人がいます…
しかし、人を見る目というのも、結局は、その見る人が見られる人に対してイメージをつくりあげていることを覚えておきましょう。
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