最近では、かなり少なくなっているかと思いますが…
例えば、奥さんに家事を頼まれても、「男のオレに、そんなことができるか!」と、言って無視したり、会社でお茶くみは「女の仕事だよ」と決してやろうとしない人が未だに少なからずいます。
何かにつけて「オレは男だ」と男らしさにこだわる男性のことです。
また、会社や家庭でリーダーシップを発揮したり、いつも毅然(きぜん)とした態度をとって、家族やOLから「男らしい」といわれることに、無上の喜びを感じる男性もいます。
実は男らしさにこだわる人には、前者のように困ったタイプと、後者のように頼もしいタイプの二通りがあるのです。
しかし、どちらも、心の根っこには共通のものを抱えているとみられています。
それは、フロイトの指摘した「去勢コンプレックス」なのです。
フロイトによると、去勢コンプレックスとは、別の男性に局部を引き抜かれ、女性にされるのを恐れる心理のことだといいます。
わかりやすくいえば、「お前なんか、男じゃない」と、他人から非難されることを極端に恐れる心理のことなのです。
心理学の研究では、このコンプレックスの持ち主は小さいころ、親から体罰を繰り返して受けた人に多いことがわかっています。
体罰を受けながら、「早く一人前の男性になりたい」と思いつづけたことが、トラウマになるのです。
こういう男性は、大人になっても、自分の非力さや魅力のなさを認めることが耐え難く、その反動として、男らしさにこだわってしまうのです。
大人になっても、必要以上に男らしさにこだわる人の心理は、幼稚園児が「赤い服は女の子の服だもん。着たくない。」と言っている精神状態によく似ているのです。
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