日本には八百万神(やおよろずのかみ)がいらっしゃるとされています。
八百万神とは、数多くの神、すべての神のことです。
さて、「トイレの神様」という歌も一時期流行りましたが、八百万神の中には「トイレの神様」もいるのでしょうか?…
さっそくみていきましょう。
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「トイレの神様」は実際するかもしれない?!
「トイレの神様」という歌を覚えているでしょうか?…
「トイレには女神様がいるからきれいにするんやで。」といっていたおばあちゃんとの思い出を歌にしたものですが、実は昔からトイレの神様を敬(うやま)うという風習を、日本人は持っているのです。
たとえば、雪隠参(せっちんまい)りといって、産後3日目や7日目に新生児を抱いてトイレに参るという風習があります。
中には、大便を箸でつかんで赤ん坊に食べさせる真似をするところもあるといいますから、厠神(かわらがみ)は意外に人々に親しまれていたのかもしれません。
また、かまどの荒神(こうじん)、箒神(ほうきがみ)、厠神の三柱はお産の神様で、妊婦さんは台所とトイレをきれいにしておくと、きれいで丈夫な子が生まれるといわれてきました。
だから、トイレに唾を吐いたりしてはいけないと言い伝えられている地方もあるようです。
お正月やお盆に、トイレを祀る地域もあります。
年末から正月にかけて、新しい年を迎える準備を整えると、まずトイレの前に御膳を並べ、トイレの扉を開けて主人が「お世話になりました。」と挨拶します。
こうして厠神の年取り(新年を迎えること)を済ませてから、家族の年取りをするのです。
沖縄では病人が激しく衰弱したときに、トイレにお供えをして祈る風習があったといいます。
大便や小便は、畑の肥やしとなり、新たな作物を実らせる栄養源になります。
つまり、強力なパワーを与えてくれるものとして認められていたのです。
考えてみれば、トイレは私たちが生きていくために必ずしなくてはならない「排泄」という行為を行う場所です。
そこでは誰しも無防備であり、すべてをさらけ出さなくてはなりません。
それはすなわち神様に身を捧げるのと同じ状態ですから、トイレに神様の存在を感じるのはそれほど不思議なことではないのかもしれません。
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