日本には様々な言い伝えや伝承があります。
特に子どもの頃に大人から言われていたもので、自分が大人になってみると「なんでそんな言い伝えや伝承があったのだろう?」…
と思うことも多々あります。
今回はその中でも「夜に口笛を吹いてはいけない」…という言い伝えについて…
意味はよく分かっていなかったが、そう言われていたので、なんとなく怖くて吹きそうになっても我慢していた…という方もいるかもしれません。
さっさく、そう言われた理由について探っていきたいと思います。
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夜に口笛を吹いてはいけない理由とはなにか?
夜、口笛を吹いて、「やめなさい。夜に口笛を吹くと蛇が出るよ。」とたしなめられた経験のある人は、案外多いのではないでしょうか。
ちなみに「蛇が出る」という他に、「お化けが来る」、「泥棒に入られる」といったパターンもあり、中には「寝てからミミズが口をなめる。」という、なんとも気持ち悪いものもあります。
理由は様々ですが、どうやら夜に口笛を吹いてはいけないという言い伝えは全国的に存在するようです。
では、なぜ夜に口笛を吹くと蛇が出てくるのか?…
インドの蛇使いがコブラを笛で操るように、蛇は聴覚が優れているから、口笛に反応して出てくるのかもしれないという人がいますが、実は蛇に耳はありません。
空気の振動を皮膚で感じ取ることはできますが、音に鋭く反応することはないでしょう。
よって本当に口笛を吹くと蛇が寄ってくるとは考えられません。
理由は異なりますが、この言い伝えは、夜と口笛を警戒するものです。
要するに、夜になって外をほっつき歩いて口笛を吹くような目立つ行動をしてはいけませんよ…といっているのです。
では、なぜ夜の外出と目立つ行動が危険と考えられたのでしょうか?…
今とは違い、昔は街灯もありませんし、深夜まで明かりを灯している家の窓もありません。
日が暮れると、あたりは漆黒の闇に包まれたはずです。
昔の人は、その危険を百鬼夜行や物の怪にたとえましたが、その他にも、追いはぎ、強盗、辻斬りなど物騒な人間も潜んでいました。
中でも、子供を狙った人さらいが横行し、彼らは暗闇の中で口笛を使って合図を送っていたといいます。
夜に口笛を吹いていると、そうした悪者どもを呼びこむことになってしまいかねません。
だから、あえて蛇やらお化けやらミミズやらに託して子供たちに注意をうながしたのではないでしょうか。
物の怪なんかより、よほど人間の方がタチが悪いと知っていたのです。
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