ドッペルゲンガー(Doppelgänger)とは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象のことです。
自分とそっくりの姿をした分身や第2の自我、生霊の類であるともいわれています。
さて、この自分の生き写しやドッペルゲンガーに会ってはいけないという言い伝えが、日本だけでなく世界各地でも多く残っているのです。
昔あなたの周りで、自分にそっくりな人3人に会うと、死んでしまう…などという言い伝えが流行った時はなかったでしょうか。
この言い伝えは、実際のところ本当なのでしょうか。
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自分の生き写しやドッペルゲンガーに会ってはいけない?!
「自分の生き写しに会うと、近いうちに死ぬ。」という言い伝えは、古くからあるようです。
江戸時代の「奧州波奈志(おうしゅうばなし)」という奇談集は、東北地方の不思議な話を集めたものですが、その中に自分で自分の姿を見た男性の話が書かれています。
ある日、帰宅した男性は自分の部屋の文机に自分自身が座っているのを見ました。
顔をのぞき込もうとすると、いきなり立ち上がって、障子の隙間から庭に逃げてしまったのです。
不思議に思って母親にそのことを話すと、母親の顔色が変わりました。
それからまもなく、男性は病に倒れ、そのまま帰らぬ人となったのです。
実は、男性の父親も祖父も、自分の姿を見て病になり、亡くなっていたのです。
同じような話は外国にも伝わっています。
ドイツのドッペルゲンガーが有名で、やはり自分の分身を見た者が死を迎える話が数多く伝わっています。
著名人の中にも自分の分身を見たという人がいます。
アメリカ合衆国元大統領エイブラハム・リンカーンもそうですし、日本では芥川龍之介が自分を見たと語っています。
生き写しやドッペルゲンガーは怪異現象として語られることが多いようですが、スイス・チューリッヒ大学のブルッガー博士らの研究によると、側頭葉と頭頂葉の境界領域はボディイメージを司るところで、ここに脳腫瘍ができると自己像幻視を見るケースが多いということです。
つまり、ドッペルゲンガーは、自分自身の脳が作り出した幻影だというわけです。
脳腫瘍が自己幻視をもたらしたとすると、死期が近いということも説明がつきそうです。
脳腫瘍そのものが死因となることもあるでしょうし、脳腫瘍によって体の機能に障害が生じ、それによって健康を害することもあるでしょう。
そう考えると、この説にも一理ありそうですね。
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