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旧約聖書と新約聖書の違いについて、ご存知ですか?
旧約聖書と新約聖書というくらいですから、当然違うものなのですが…
果たしてどのような内容で違いがあるのでしょうか。
その辺りを探ってみました。
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旧約聖書
キリスト教とは、イエス・キリストによって示された教えを信仰する宗教のことをいいます。
このイエス キリストという名は、一般的に一つの姓名と受け取られていますが、正しくはイエスが一般的な意味での人名に該当し、キリストは救世主を意味します。
したがって、キリスト教とは、イエスを救世主とする宗教のことなのです。
「新約聖書」は、神の子イエスによるキリストの救いについて述べられた書物のことで、信仰的意味において聖なる書物(聖書)と呼ばれています。
この「新約聖書」と「旧約聖書」の関係は、「両者は同一の神について語る連続の書である」(新共同訳 聖書日本聖書協会)とされます。
では、新約聖書と旧約聖書を区分しているものは何なのでしょうか。
それは、この両者の書名に共通する「約(約束·契約)」の相違による区分なのです。
つまり、旧約(古い契約)とは、モーセを通してイスラエルの民に与えられた神の救いの約束、契約(シナイ山での契約)にもとづくものであり、新約とは、神の子イエスを通してもたらされた人々に対する神の救いの約束 契約を示すものなのです。
旧約聖書では、「初めに、神は天地を創造された」と、神による天地の創造から説き明かされていますが、その主たる内容は、天地万物の起源、そして人間の系譜にもとづく、アプスムの子孫であり、かつ神の民であるイスラエル民族と神との歴史的出会いの数々を集大成したものです。
旧約聖書は、紀元前十二世紀から紀元前二世紀の半ばに至る約一千年間に書かれていますが、「正典(信仰と生活との基準)」として確定したのは、紀元九〇年頃のことでした。
この時「正典」とされたのは「律法(歴史書)」「預言書」「(智恵の)文学書」の三部に区分される三十九の文書(ユダヤ教では「律法·預言者·諸書」と区分)です。
これらの大部分は、ヘブル語で記されています。
その後、正典から除外された文書(外典)を、カトリックは十六世紀に第二正典として正典の1つに数えていますが、プロテスタントは、従来通り外典としています。
旧約聖書の最初の五つの文書は、「モーセ五書」と呼ばれ、有名な「モーセの十戒」やイスラエル民族のエジプトからの脱出、約束の地カナンでの守るべき神の律法などが述べられており、映画の題材としてもしばしば取りあげられた劇的な展開を示す物語も織り込まれています。
しかしキリスト教では、この旧約聖書をイエス・キリストの救いを証明する預言書と位置づけるに留めています。
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新約聖書
新約聖書は、イエス・キリストとイエス·キリストを信じる者との新しい契約の成就について記した聖典です。
主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。
また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました
(「コリントの信徒への手紙 」)
この新約聖書の言葉が示すように、聖書にはイエスの血(十字架の死と復活)によって立てられた新しい救いの約束(契約)が述べられています。
前述のようにキリスト教では、イエス·キリストの救いを預言する約束の書を「旧約聖書」と呼び、その救いの成就を証言(約束)する書を「新約聖書」と呼んでいますが、この呼び名は、キリスト教特有のものなのです。
そして、キリスト教はイエスを救世主(キリスト)として信じる宗教であるため、この新約聖書を信仰の拠り所にしています。
新約聖書の原文はギリシア語で記され、西暦50年から150年にかけて書かれました。
新約聖書は、マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書(以上の三福音書を共観福音書と呼ぶ)、ヨハネによる福音書、使徒言行録、ローマの信徒への手紙、コリントの信徒への手紙一から二、ガラテヤの信徒への手紙、エフェソの信徒への手紙、フィリピの信徒への手紙、コロサイの信徒への手紙、テサロニケの信徒への手紙一から二、テモテへの手紙一から二、テトスへの手紙、フィレモンへの手紙、ヘブライ人への手紙、ヤコブの手紙、ペトロの手紙一から二、ヨハネの手紙一から三、ユダの手紙、ヨハネの黙示録の二十七の文書からなっています。
このうち、最初の三福音書を「共観福音書」と呼んだのは、この三つの福音書が共通の資料(原マルコ)にもとづいて、イエス·キリスト伝を述べているからです。
また、「ヨハネによる福音書」は、イエス伝を通観するというよりも、神の子イエスの言行のうち、特に意味深いものを伝えようとしています。
「使徒言行録」は、「ルカによる福音書」の続編とされる文書で、ペテロとパウロによるキリスト教の伝道(エルサレムからローマに至る)がルカによって記されています。
「ローマの信徒への手紙」以下の各書簡は、初期キリスト教会と信徒·協力者に宛てたパウロを中心とする信仰書簡の集成です。
巻末の「ヨハネの黙示録」は、キリストの再臨を象徴的に啓示した書であり、新約聖書に収録されたこれらの文書は、397の「カルタゴ会議」で正典とされました。
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