皆さんは幼い頃に、お父さんが大好きで、将来はお父さんみたいな人と結婚する!もはやお父さんと結婚する!と、思ってた時期はありませんか?
一体なぜそういう感情が生まれるのでしょうか。
今回は、家族におけるコンプレックスについてのお話をお届けします。
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家族に潜むコンプレックスが結婚に大きく影響する?
「お父さん、お母さんが一番好き!」と、無邪気に甘える幼子。
けれど、そんな心の奥には、葛藤や屈折も芽生え始めているのです。
たとえばエディプス·コンプレックス。
これは、ギリシャ神話に登場する、父親を殺して母親と結婚したエディプス王が由来で、異性の親の愛情を独占したいと思う気持ちが高じ、同性の親に対して「いなくなればいい」「死んでしまえばいい」という暗く抑圧された願望を抱くことを指します。
フロイトが提唱するリビドー(性的な欲望、衝動、精神エネルギー)の発達段階のうち、男根期といわれる3〜6歳の時期に起こります。
思春期に入った男の子は、父親に反抗しながら成長していくものだと言われますが、その気持ちは幼いころからすでに始まっているのです。
ちなみに女の子が同様の気持ちを母親に抱くこともあります。
もう一つ、よく取り上げられるのが、マザーコンプレックス。
いわゆるマザコンです。
幼いころより母親から過剰な愛情や保護を受け続けてきたために、成人になっても精神的に自立できない男性のことを指しています。
青年時代に培われるはずのアイデンティティや社会的な人間関係が形成されずに育ってしまうのです。
こうなると、就職して社会に出ても、結婚をしても、母親に物事の意思決定を依存します。
また、自分の配偶者に母親と同じような愛情を求めることもあります。
親子関係は、人が生まれて初めて培う社会的な人間関係です。
だからこそ、生涯にわたる人格形成に大きな影響をもたらすのです。
さて、家族間で芽生えるコンプレックスは、親が対象と限ったわけではありません。
きょうだいの間にも強いコンプレックスが生じることはよくあります。
そして、それが憎しみに変わっていくこともあるのです。
これをカイン·コンプレックスといいます。
旧約聖書に、アダムとイブの息子、カインとアベルの逸話が出てきます。
農夫だったカインと羊飼いのアベルは、それぞれ神に贈り物をします。
けれど、神はアベルの贈り物だけを喜び、カインのそれには振り向こうとしませんでした。
これに嫉妬をしたカインは、アベルを殺してしまいます。
そして、神によってエデンの東に追放されてしまうのです。
カイン·コンプレックスはこの逸話から名付けられました。
そのほか、異性のきょうだいの間にはオナリ·コンプレックスというものがある、と、精神医学者の小田晋氏は説明しています。
オナリとは、沖縄の方言で女の兄弟を指す言葉で、異性の兄弟の間で、タブーとされ抑圧している性愛の感情が存在することを指摘したものです。
兄弟のいる子は、親の愛情や関心を少しでも自分のほうに向けておきたいという感情を抱いています。
そこから、ほかの兄弟への敵対心や競争心が芽生えます。
多くの場合、親の配慮や家族の間の思いやりなどから、その敵対心は無意識のうちに沈んでいきます。
けれど、一歩間違えば、一生を左右するような憎しみに姿を変える危険もあるのです。
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