やらなきゃいけないとわかっているのに、やる気が湧いてこない。
今日はなんだかすごくやる気があるぞ!と張り切っていても、長くは続かず、次の日には、またやる気が湧いてこず、ダラダラモード….。
やる気を出して頑張っていても、それが失速することもありますよね。
何か目標に向かって頑張っている時、試験前など、やる気が続けばどんなにいいか….。
そういう時は、一体どうすればやる気が生まれるのでしょうか。
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心理実験に伴うやる気を出す方法
やる気を出しても、長くは続かない….。
なぜなら、なかなか思うように目標に到達できなかったり、何度も失敗を重ねたりするうち、だんだんとあきらめていってしまうのです。
「努力しても無駄だ。どうせ不可能なんだ」という自分を無力だと感じる気持ちに支配されて、やる気を失うのです。
これを学習性無力感といいます。
この概念を提唱したセリグマンという心理学者は、次のような実験を行っています。
犬を逃げることのできない状態にして電気ショックを与えます。
これを続けたのち、今度は逃げられるような状態で電気ショックを与えても、犬はうずくまったまま逃げようとしなくなります。
つまり、「努力しても無駄だ」と感じ、そこから逃げ出す気を失ってしまったのです。
人間も同じで、努力がなかなか報われないと、やる気をなくしてしまいます。
そのとき支えになるのがピグマリオン効果です。
心理学者のローゼンサールとジャコブソンは、先生に期待されている子と、そうでない子の成績に違いが出るかどうかを実験しました。
クラスの子どもたちを2組に分け、一方を「あなたはかしこいわ。もっと頑張って」と励まし続けたのです。
すると半年後、誉められたグループのほうが成績が優秀になったという結果が得られました。
これを、ギリシャ神話の王の名からとって、ピグマリオン効果と呼びます。
学習性無力感を感じたときに、周囲に励まし支えてくれる存在がいると、人は目標を達成できるパワーが生まれてくるのです。
では、他人からのよい評価がもたらすピグマリオン効果はなぜ起こるのでしょうか。
これは、他人からもたらされた自分自身の姿や能力について、自分自身が影響されているからです。
この影響力を利用すると、人は思った以上の能力を発揮できるようになることがあります。
たとえば、あまり営業成績のぱっとしない新人セールスマンが、職場の上司から「君の営業力はなかなかのものだ。将来が楽しみだ」と、思った以上の高評価を得たとします。
彼はその評価を受けて「僕にはこの仕事が向いていたんだな。高い能力があったんだな」と自分の能力を肯定的に考えるようになります。
その気持ちは「もっと頑張れば、きっといい結果をもたらすことができるぞ」という気持ちにつながり、行動もそれに基づいていきます。
これまでより仕事に熱心になり、真面目に頑張り、実際に優秀なセールスマンとなっていくのです。
つまり、他人からもたらされた自分に対する情報によって「自分はもっとよくなれるはずだ」と考え、行動までもが変化していくのです。
これを自己成就予言といいます。
この自己成就予言をもたらすには、初めの段階での他人からのメッセージが、とても重要な役割を果たします。
ですから、「あなたは素晴らしい。あなたならきっとできる」というプラスの評価を、少々オーバーなくらい与えると、その人が本当にそうなっていける栄養素となるのです。
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