「福音書」や、その他のキリスト教の伝説によればイエスの生涯の重要な局面において、度々、天使が出現したとされています。
まずは、マリカーがイエスを身ごもったときのことで…
マリアのもとに天使ガブリエルが訪れ、処女であった彼女が聖霊によって妊娠したことを告げているのです。
これを「受胎告知」といい、キリスト教の宗教画では好んで描かれるモチーフとなりました。
また、マリアの不貞を疑った夫ヨセフの夢に現われ、妻の純潔を説明したのも、天使ガブリエルです。
天使ガブリエルは、ミカエル、ラファエルと並ぶキリスト教の三大天使の一人で、その役割は「預言」と「啓示」によって神の意志を人々に伝えるというものでした。
まさに、マリアに「受胎告知」を行なうのに最適な天使だったといえるでしょう。
さらに、「神の子」が生まれたことを知り、それを脅威に感じたユダヤの王ヘロデが、次々と11歳以下の子どもを虐殺したときも、ガブリエルはイエスの一家にエジプトに逃れるよう告げています。
さて、次に天使がイエスの生涯に関わってくるのは、成人したイエスが荒野での断食を終えたときのことでした。
悪魔の誘惑をはねのけたイエスのもとに、天使たちが訪れて仕えたと「マタイによる福音書」には記されています。
しかし、その天使たちの名前は残念ながら聖書には記されていません。
その後も、自らの受難と死を予見したイエスが苦悩していたときに天使が現われてイエスを励ましたり、処刑後、イエスの墓を訪れた信者たちの前に白い衣を着た天使が現われイエスの復活を告げたりしていますが、それらの天使の名前も明らかにされていません。
ただ、伝説としては、それはすべてガブリエルであるともいわれているのです。
ところで、キリスト教においては、イエスと天使のどちらの方が偉いとされているのでしょうか?
これは、完全にイエスの方が上位ということになっています。
何故なら、イエスは「神の子」であり、それは神と同じという意味だからです。
天使は神に仕えるのと同じように、イエスに仕える義務があるからなのです。
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