「わたしと付きあっていながら、どうして合コンなんかに行くの?」…
「アイツと食事に行ったんだって?一体、なに考えてるんだよ!」…
誰かに恋愛感情を抱くと、相手を独占したい、恋人に近づいてくる異性を排除したいという気持ちが生まれます。
その気持ちは、嫉妬心から生まれているのです。
この嫉妬という感情は、心理学的に見ると、なかなか興味深いものでもあるのです。
まず、適度な嫉妬心は恋愛のエネルギーになります。
もしも、嫉妬の感情がなければ、別の異性が相手に横恋慕するのをカンタンに許すことになり、恋愛関係を継続することは難しいと言えるでしょう。
ある心理学者が、恋愛中のカップルを対象に、嫉妬に関する調査をしたことがあります。
7年後、調査対象となった男女の関係を再調査したところ、4分の1のカップルが結婚しましたが、この結婚したカップルは、別れてしまったカップルよりも嫉妬心が強かったということがわかりました。
もしも、あなたが恋人に嫉妬しなくなったら、それは相手に対する愛情が薄れたサインといえるかもしれませんね。
また、適度な嫉妬は、浮気防止の効果を発揮することもあります。
プライドの高い人は「嫉妬するのは返ってみっともないだけ…」と言い、嫉妬心を無理やり心の奥におさえこもうとしがちです。
しかし、ときには嫉妬心をストレートにぶつけるのは、相手の気持ちをつなぎとめるためには極めて効果的な戦略なのです。
たとえば、相手の浮気が疑われるようなサインを見つけ、女性が激しく怒りをぶつけると、男性は「疑われただけでこれじゃあ、本当に浮気をしてバレたら、たいへんなことになるぞ…」と恐怖を覚えます。
さらに悲しんで泣けば、男性の同情心を刺激し、反省をうながしたり、愛情を再確認するきっかけにもなるかもしれません。
つまり嫉妬の感情の表出は恋愛のコミュニケーション手段と言えるのです。
逆に抑え込むと自分の気持ちが相手に伝わらず、逆効果になることが多かったりもするのです。
また、嫉妬深い人ほど、実は浮気願望が強いとも言えます…
たとえば、彼女が同窓会に出席するというだけで不機嫌になり、当日の服装や帰りの時間までチェックする男性がいます。
これは、男性の方に「自分が同窓会に行き、もしそこに魅力的な女性がいたら、あわよくば誘いたい…」という無意識の願望があるからなのです。
つまり、自分が認めたくない願望が相手にもあると思いこんでしまうためで…
心理学では、これを「投影(とうえい)」と呼んでいます。
恋人のいる男性に猛烈にアタックして、その恋人から奪いとった女性が、余計に嫉妬深くなりやすいのも、この「投影」の心理が働くからなのです。
かつての自分のように、別の女性が彼を積極的に誘惑するところを想像すると、「彼は私になびいたのだから、他の女性に積極的に誘われたら、またしてもそちらになびくのではないか?」という、大きな不安にさいなまれるということです。
嫉妬は、自分やパートナーの気持ちを再確認するために必要なもの…
ですが、いき過ぎると二人の関係を壊しかねない、興味深い感情でもあるのです。
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