「バカという方がバカ」…
というのは、子供のころに誰もが覚える社会の掟(おきて)でしたが、この掟じは実は社会人になっても有効だったりするのです。
「あの男は、ホントに能がない…」、「もうちょっとマシな仕事はできんのか?」などと、こんなふうに、上司や部下を「無能」呼ばわりする人は、いっている本人が「無能」である場合が多いのです。
社会の中で、さらには会社の中でこのようにいう場合、それは仕事がうまくいっていない場合が多いのです。
つまり、うまくいっていない原因を、上司がバカだから、部下がバカだから、と責任転嫁して、自分の責任を逃れようとしているということですね。
しかも、責任を誰かに押しつけたところで、問題は何も解決しないのは明らか…
本当に有能な社員は、そんなことを言い合っている暇があったら、うまくいかない原因は何かを究明し、とりあえず自分にできることは何かと考えるものです。
自分の至らなかったところを反省し、どうやったら、次はもっとうまくできるかを模索することが一番大切なことですからね。
加えて、人をけなすのは簡単ですが、ほめるのは難しいものです。
誰にでも短所や長所があるのだから、その短所をあげつらって「だからダメなんだ」というのは誰でもできます。
むしろ、長所を的確にとらえて、「あの男のデータ解析力は大したものだ」、「彼は、交渉の現場で実力以上のものを発揮する」と能力を把握するには、高い分析力が必要なのです。
それに、それはそのまま自分のためにもなります。
いざというとき、「ちょっとこのデータ解析、手伝ってもらえませんか?」などと、周囲の人間の長所を利用することもできるからです。
今風にいえば、「コラボレーション」なのでしょう。
もちろん、将来管理職になったときに、部下の長所を生かせるかどうかは、仕事の出来不出来に直結します…
「ほんとに、あいつは無能だ」、そういう人は、暗に「オレはあんなヤツとは違って、仕事ができるんだ」といいたいのでしょうが、話はまったく逆…
自分の無能を言いふらしているようなものなのです。
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