ご存知のように、ローマ・カトリック教会の最高位聖職者を「ローマ教皇」といいます。
日本語で「ローマ法王」と表記されることもありますが、現在は「教皇」で統一されています。
ローマ教皇は、全世界のカトリック信徒の精神的指導者として、またバチカン市国(イタリアのローマ市内にある世界最小の独立国家)の国家元首として、その影響力は絶大です。
カトリックには、古くから、厳格な上下関係のある巨大なピラミッド形組織があり、司教、司祭、助祭といった位階が存在します。
このうち、司教はイエスに従った使徒たちの後継者とみなされ、各地域の教会を指導してきました。
中でもローマ帝国の首都を管轄するローマ司教は別格で、いつしか教皇と呼ばれるようになったのです。
また、ローマが使徒たちのリーダーだったペトロの殉教の地であることから、初期のローマ司教はペトロの後継者(代理人)とされました。
その後、教皇として権威が増大すると「イエス・キリストの代理人」といわれるようになります。
では、ローマ教皇は、どのようにして選ばれるのでしょうか?…
現在は、枢機卿たちがお互いの投票で適任者を選出する「コンクラーベ」がその唯一の方法とされています。
枢機卿とは、教皇の助言者と位置づけられる高位聖職者のこと…
世界各地の司教の中から教皇によって任命されるのです。
歴代の教皇たちは、選挙方法を変更することや枢機卿団を総入れかえすることは認められていましたが、後継者を指名することだけは許されなかったのです。
枢機卿は世界各地から任命されるので、教皇もイタリア人とは限りません。
現在、教皇位にあるフランシスコはアルゼンチン人で、前教皇のベネディクト16世はドイツ人…
その前のヨハネ·パウロ2世はポーランド人でした。
日本人も、1960年に親任された土井辰雄(どいたつお)さんをはじめ、これまでに5人ば枢機卿がいましたが、現在では全員亡くなっています。
土井辰雄(1960年3月28日任命、1970年2月帰天)東京大司教
田口芳五郎(1973年3月5日任命、1978年2月帰天)大阪大司教、英知大学学長
里脇浅次郎(1979年6月30日任命、1990年2月帰天)長崎大司教
白柳誠一(1994年11月26日任命、2009年12月帰天)東京大司教、世界宗教者平和会議日本委員会理事長
濱尾文郎(2003年10月21日任命、2007年11月帰天)横浜司教、教皇庁移住移動者司牧評議会(英語版)議長
この記事へのコメントはありません。