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「秋ナスは嫁に食わすな」の由来と意味とは?

わが国にはいろいろな言い伝えが残っています。
たとえば、「夜に口笛を吹いてはいけない」とか「合わせ箸がマナー違反」などです。

しかし、その言い伝えは知っていても、その意味をあまりよく知らない…という方は多いです。
その意味を知ることにより、改めてその言い伝えを新鮮な気持ちで迎えることができるのではないでしょうか。

さて今回は「秋ナスは嫁に食わすな」…
この言い伝えの由来と意味について、探っていきたいと思います。




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「秋ナスは嫁に食わすな」の由来と意味とは?



「秋ナスは嫁に食わすな」という言い伝えがあります。
この言い伝えの意味には諸説ありますが、もっとも一般的な解釈は姑の嫁いびりでしょう。

ナスは貴族に愛された野菜で、京都のナス栽培の歴史は古く、賀茂ナスいう特産のナスもあります。
ナスの旬は夏から秋にかけてで、とくに秋ナスは皮が柔らかくて味が良いのです。

そんなおいしいものを嫁なんかに食わせてやるか!…
そんな姑の思いが垣間見られるようです。
昔は、嫁は姑に仕えるというのが当たり前で、離縁の一番の理由が姑の嫁いびりだったそうですから、うなずける説ではあります。

一方、まったく逆の説もあります。
漢方ではナスは体を冷やす食べ物だとされています。

秋は季節の変わり目で体調を崩しやすいので、体を冷やす秋ナスは控えた方が良いのです。
嫁は跡取りを生んでくれるのだから、大事にした方がいいという、嫁いびりとは180度逆の解釈です。

16世紀の中国の代表的な薬草解説書「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には、ナスをたくさん食べると腹痛や下痢を起こす、秋ナスはその作用が強いと書かれています。

また、江戸時代の本草学研究書の「本草綱目啓蒙」(小野蘭山・おのらんざん)にも、同様の内容が書かれています。
そこから考えると、秋ナスの食べ過ぎは体によくないと、嫁の体を心配する言い伝えのようにも思えてきます。
ですが本当に姑が嫁のことを心配していたのでしょうか。

さらに、こんな説もあります。
「古事記」や「日本書紀」の昔から、人々は大事な作物をネズミに食い荒らされるネズミ被害に頭を悩ませていました。

ネズミは大黒様の使いで、人の言葉を理解できると考えられていましたから、ネズミのご機嫌を損ねないように、「嫁御」とか「嫁さま」などと呼ぶ習慣がありました。
つまり、おいしい秋ナスをネズミに食べられるなという警句だという説もあるのです。


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