トラウマ….という言葉。
口にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
例えば猫が苦手な人が、子供の時に猫に引っ掻かれたことがトラウマとなって猫が苦手になった、と話したりします。
殺人現場などを目撃した、など衝撃的な出来事がトラウマとなっている人もいます。
そこで、今回は「トラウマ」の理論についてお話ししたいと思います。
トラウマ理論は実は存在しない?!
トラウマ…
英語では「psychological trauma」と書きます。
意味はみなさんもご存知のように心的外傷(しんてきがいしょう)…
肉体的もしくは精神的な衝撃を受けたことで、長い間それにとらわれてしまう状態のことです。
また否定的な影響を持っていることもトラウマといいます。
このトラウマに関して、「トラウマ理論」の元をつくった人物として、ジークムント・フロイトが挙げられます。
名前:ジークムント・フロイト
生年月日:1856年5月6日~1939年9月23日
職業:精神医学者、精神分析学者、精神科医
国籍:オーストリア
研究分野:医学、神経学、精神医学、精神分析学、精神病理学、心理学
例えば男性嫌悪の女性がいるとしましょう。
このような女性に対して、催眠療法を施したフロイトは、幼少期の父親による性的虐待などに原因があると説きました。
この説がトラウマ理論の元となるものです。
しかし、フロイトの学説は、もはや現代では時代遅れどころか、オカルトの域に入っていると言われているのです。
トラウマという言葉を世に広めたのはジュディス・ハーマンというアメリカの女性の心理学者です。
名前:ジュディス・ルイス・ハーマン
生年月日:1942年~
職業:精神科医、ハーバード大学医学部精神科臨床準教授
出身:アメリカ合衆国ニューヨーク市
備考:ラディカルフェミニストであり回復記憶療法の第一人者
彼女は「心的外傷と回復」という著作の中で、子供の頃の性的虐待などが、「抑圧された記憶」として成人後も多くの女性を苛んでいると説きました。
このトラウマ理論は1990年代にアメリカで大流行し、幼い頃の記憶を取り戻した人々が、加害者である親を訴える裁判の嵐が吹き荒れたのです。
しかし、アメリカのエリザベス・ロフタス博士は、人間の脳は記憶をねつ造することがあると、ある実験で証明しました。
まず成人の被験者に対し、その親に「小さい頃ショッピング・モールで迷子になったことを覚えていないか?」とウソの記憶を尋ねさせます。
当然、「被験者は覚えていない」と答えます。
しかし、親がその時の状況を詳細に語っていくと、そのうち被験者は、なんとかしてその記憶を思い出そうとし、最終的には記憶をねつ造するようになったのです。
「親から(存在しない)思い出を指摘されたにもかかわらず、その記憶がない」という矛盾を解消しようと、被験者の脳は勝手に記憶を創作してしまうのです。
この実験(記憶回復療法)により「抑圧された記憶」の存在は否定され、トラウマなどないという一つの証明がなされたのです。
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