イスラム教徒の法である「シャリーア」という言葉を聞いたことがありますか?
「シャリーア」とは一体なんなのでしょうか。
この機会にぜひ一緒に学びましょう。
イスラム教徒の法「シャリーア」とは?
アッラーの意思への服従…
それがイスラムです。
預言者ムハンマドの存命中は、その教えに従っていれば良いとされていました。
しかし、彼の死後は、アッラーの意思を判断する規範が必要となりました。
そこで、定められた法体系が「シャリーア」です。
日本をはじめとする非イスラム国では、一般的に「イスラム法」と呼ばれています。
内容は、宗教の範疇にとどまりません…
民法や刑法、行政法から戦争法にいたるまで、かなり幅広いものとなっています。
性格的にも、日本の「六法全書」をはるかに超えたものです。
シャリーアの基準や根拠となる主な法源は4種類…
まず、最も優先されるのが、やはり「コーラン」です。
それだけでは法的な判断ができないとなれば、ムハンマドの言行録である「ハディース」を参照します。
それでも判断できなければ、イスラム法学者たちによる「合意(イジュマー)」という議論や「類推(キヤース)」という判断が行なわれます。
そして、シャリーアの適用範囲は、全ムスリムということになっているのです。
世界のどこにいようが関係なし…
逆に、非ムスリムであれば、イスラム圏に居住していても、直接的には適用外とされます。
昔からシャリーアには、アッラーが定めた絶対の掟(おきて)とされてきた歴史があります。
現在でも、全ムスリムが守るべき規範とされ、シャリーアへの服従は、イスラムへの信仰と同義であるとの意見は根強いのです。
そのため、棄教は重大な犯罪と考えられています。
未だに、棄教者は原則として死刑とされているのです。
もちろん、この規定は棄教の抑制として存在しているにすぎず、実際に処刑が行なわれているわけではありません。
しかし、信教の自由という観点から、人権侵害を指摘する声が挙がっているのも事実です。
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