イスラム教を創始した預言者ムハンマドは、570年ごろにアラビア半島の商業都市メッカで誕生しました。
もちろん、生まれたときから預言者だったわけではありません。
名門ハーシム家アブド・アッラーフの子として、普通に生を受けたのです。
ムハンマドは、父はムハンマドが生まれる数カ月前に死亡し、母アーミナも彼の幼少期に亡くなったため、祖父と伯父の庇護のもとで育てられました。
ムハンマドは成人すると、一族の者たちと同じように商人となります。
商才に長けていたことから、25歳のときに、富裕な女商人ハディージャに見初められて結婚…
当時彼女は40歳の未亡人でした。
2人は3男4女をもうけるも、3人の息子はいずれも若くして亡くなったと言います。
悩めるムハンマドは、ある日メッカ郊外にあるヒラーの洞窟で瞑想にふけっていました。
すると、天使ジブリール(英語にするとガブリエル)が現われ、「読め」と命じたのです。
何を読めばいいのかわからないムハンマドは、「読めません」と答えました。
何度も同じ命令をくり返されても、やはり読みようがない…
そのときでした。
唯一絶対の神(アッラー)からはじめての啓示が下ったのです。
この出来事は、610年、ムハンマドが40歳のときに起こったといわれています。
当初、妻ハディージャは、神の啓示に動揺するムハンマドを励ましていました。
しかし、時を経るにつれ、ムハンマドが本当に天使の声を聞いたのではないか?…と信じるようになります。
つまり、彼女が世界で最初のイスラム教信者になったわけです。
また、ムハンマド自身も、自分が預言者であると自覚していきます。
そしてアッラーを信仰すれば、死後も永遠の平和と救済を得られると教えを説きはじめました。
ムハンマドの従弟人も、彼の教えを信じるようになり、613年頃からは、公然とメッカの人々に布教をはじめたのです。
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