噂やデマは、人から人へと急速に広まっていくものですよね?
小学生や女子高生の間で流行る都市伝説の類ならば、それほど問題はないものの、社会的な広がりを見せるとなると経済活動にも影響が出ることがあります。
たとえば、1973年のオイルショックでは、「不足になる」という噂に慌てた人たちは、トイレットペーパーの買い占めに走り回りました。
また、ある地方の信用金庫が危ないという噂が流れ、預金の引き出しや解約に顧客が殺到するという騒ぎもあったのです。
この有名な取り付け騒動の発端は、女子高生のおしゃべりだったといいます。
「信用金庫に就職するのは危ないんじゃないの?」と冗談半分で交わした会話が、人づてに次々と伝わるうちに「信用金庫が危ない」という、まことしやかな噂に発展してしまったのというのです。
さて、そんな確たる根拠もない噂やデマに、なぜ人々はそれほど躍らされてしまうのでしょうか?…
その背景には社会的な不安が挙げられます。
これから先の生活に不安を抱えている状況の中では、デマさえも信じてしまいやすい心理に陥るのです。
「〇〇さんが話していたから」、「みんなが言っているから」と噂が噂を呼んでいくうちに、さらにそれが真実味を増していくのです。
そして、不安に駆られた人々はパニックを起こしてしまうのです。
近年でも、国内で新型インフルエンザが発生したとたん、各地の薬局でいっせいにマスクが売り切れた…
というものがあり、これなどもインフルエンザの脅威という健康不安が引き起こした出来事と言えるでしょう。
確かに用心は大切です。
しかし、デマはときに暴動や差別を引き起こす危険もはらんでいることを忘れてはいけません。
噂に躍らされず、正確な情報をつかみとる態度が重要なのですね。
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