鏡餅(かがみもち)は、 年神様へのお供え物で床の間に飾りますよね。
餅は古くから神様に捧げる神聖な食べ物と考えられてきました。
特に正月の鏡餅は、新しい年神様が宿るものとして大切にされてきたのです。
鏡餅が丸いのは、神の御霊を象徴しているからで、大小二つ重ねるのは、陰と陽を重ねることで福徳が合わさって縁起がいいと考えられたからです。
また、鏡餅は半紙を敷いた三方(さんぽう)という台の上に載せ、ダイダイ、ユズリハ、ウラジロ(シダ)、昆布などを添えます。
ダイダイは、実が落下せず再生を繰り返すことから、代々繁栄の象徴として、ユズリハは新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、子孫が長く続くことを願ったものです。
ウラジロは葉が多い、つまり長生きをもたらす縁起物です。
昆布は「よろこぶ」とかけた、めでたいもの。
その他にも、松竹梅や鶴亀などのめでたい飾り熨斗(のし)などを載せるなど、なにしろめでたく飾ることが大切だといわれています。
鏡餅がなければ年神様が宿る場所がありませんし、それをいただくことによって家族全員の健康と長寿を授かることができるのです。
また一般的に、正月十一日は鏡開きの日で、お供えしていた鏡餅を割って食べます。
鏡餅は飾っておくだけでは意味がありません。
神様の魂をしっかり体の中に取り込むことによって、無病息災で一年を過ごすパワーを得ることができるのです。
鏡餅は包丁などで切ってはいけません。
刃物は切腹を連想させて縁起が悪いので、木づちなどで割って開きます。
表面にカビが生えていたら、少量ならアルコールで拭き取るか、金だわしでこすり取ります。
武士たちは、開いた鏡餅をみなで分けあって食べました。
同じ魂を腹に入れ、主従関係を円滑にするといわれていたからです。
現代では、家族そろっていただくことに意味があるといえるでしょう。
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