空気の澄んだ晴れた夜空…
そんな夜空をを眺めるていると、ひとすじのラインを描いて、星が流れていくことがありますね。
みなさんご存知の「流れ星」です。
この「流れ星」には願い事をすると、願いが叶うという話があります。
運よく流れ星を目にした瞬間、急いでお願い事をしようとする方も多いのではないでしょうか。
さて、それにはどんな理由があるのでしょうか?
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流れ星が願い叶うと言われる理由とは何か?
夜空にサッときらめく流れ星…
そのわずかな一瞬に、願い事を三度唱えれば叶うといわれていますが、文字通り瞬くほどの時間のうちに三度も願い事を唱えるのは不可能です。
けれども、不可能だからこそ御利益は高そうで、夜空を見上げるとつい流れ星を探してしまう人も多いでしょう。
このように、流れ星は願い事を叶えてくれるロマンチックな存在と考えられていますが、日本ではロマンチックどころか想しい不吉な凶兆と考えられていたことをご存じでしょうか?
「日本書紀」には「天に悪神あり。天津甕星(あまつみかぽし・星の神)という」と記述があり、天変地異や大きな戦乱の前触れではないかと恐れられていました。
「人が亡くなると、流れ星が流れる」、「流れ星が続くと日照りになる」といった言い伝えもあります。
流れ星を不吉なものととらえたのは日本ばかりでなく、ヒンズーの古い神話では、流れ星は悪魔のラーフ神から飛び散った破片と考えられていました。
また、インフルエンザの語源も流れ星に関わっているといわれます。
病原体(ウイルス)によって引き起こされる感染症であるということがわかっていなかったその昔、冬になると流行し、春になると沈静化するこの病は、邪悪な彗星の「影響・influence(インフルエンス)」によって引き起こされると考えられ、「インフルエンザ」と名付けられたのです。
中国では、流れ星を「天狗」と呼びました。
ただし、テングではなく、テンゴウと読みます。
司馬遷(しばせん)の「史記」には「天狗はその姿、大流星のようで音がする。落ちて地に止まると狗(いぬ)のように見える。」と記されています。
鼻が高く、高下駄をはいた妖怪ではなく、流れ星を天から来た狗=神からの使いとして天狗と呼んだのです。
凶兆として捉えられることの多かった流れ星が、願い事を叶えてくれるロマンチックな存在となっていったのはいつの頃からなのでしょうか?
「流れ星を見たら願い事をする。」習慣は、広くヨーロッパに伝わっています。
神は下界の様子をうかがうために、ときどき天界の扉を開ける…
このとき、天の光が流れ落ちる…
これが流れ星です。
流れ星が見えるのは、天の扉が開いているときです。
だから、その瞬間に願い事を唱えれば、神の耳に届き、願い事は叶えられると考えられていたのです。
そうした言い伝えが伝わり、日本でも「流れ星を見たら、三度願い事を唱える。」という言い伝えが広がっていったのでしょう。
天の扉が開いているわずかなうちに、何とか願い事を神の耳に届けたい。
流れ星に願いを唱える言い伝えには、昔の人々の切なる思いが込められているのです。
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