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この世界にはたくさん宗教が存在します。
それこそ数え切れないくらいに…
その中でも「キリスト教」や「イスラム教」、「仏教」や「ヒンドゥー教」は最も有名な世界4大宗教はあまりにも有名ですね。
ここでは、そんな世界4大宗教の聖典や経典の違いについてお話したいと思います。
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聖典や経典の違い…「キリスト教」と「イスラム教」
聖典とは、その宗教の中心思想や神話などが書かれた書物のことです。
聖典は、信者たちにとって信仰の最大の拠り所であるため、聖典を読みくらべてみれば、それぞれの宗教の特徴が見えてきます。
キリスト教の聖典と言えば、ご存じ聖書ですね。
聖書は「旧約聖書」と「新約聖書」の2部構成になっています。
「旧約聖書」は、もともとユダヤ教の聖典で、主に紀元前2世紀ごろまでのユダヤ民族の神話的な歴史が書かれたものです。
神(ヤハウェ)による天地創造から預言者の1人モーセが十戒を授かるまでを記した「律法」、ユダヤ民族による国家建設から分裂、滅亡までを記した「歴史書」、さまざまな預言者たちの言行を記した「預言書」、ユダヤ民族の文化について記した「詩と文学」の4つに分けることができます。
一方、「新約聖書」は、キリスト教の開祖であるイエスの生涯と彼の教えを中心に書かれたものです。
イエスの生涯を記録した「福音書」、イエスの死後における弟子たちの活動を記録した「使徒行伝」、初期キリスト教の形成に最大の寄与をした使徒パウロが各地の信徒たちに向けて書いた手紙などを集めた「書簡」、世界の終末と神による救済を描いた「ヨハネの黙示録」の4つからなっています。
ちなみに、「旧約」とは、神とユダヤ民族が結んだ古い契約という意味で、「新約」とは、その古い約束をいったん破棄し、イエスが神と新たな契約を結んだという意味です。
そのため、新旧という分け方は、キリスト教だけのものなのです。
イスラム教で最も重要視されている聖典は、「コーラン(正しい発音ではクルアーン)」と呼ばれる書物です。
この書物には、イスラム教の開祖ムハンマドが神(アッラー)から受けた啓示が記されています。
「コーラン」は、全体で114の章からなっています。
アッラーによる天地の創造や世界の終末といった壮大な話から、食のタブーといった生活上の細々としたルールまでが記されています。
信者たちは、聖典に書かれているルールを 厳密に守らなければなりません。
また「コーラン」は、原則的に他言語への翻訳を認めず、アラビア語で書かれたものだけが正しい聖典であるとされています。
ただ、イスラム教の神(アッラー)とキリスト教(およびユダヤ教)の神(ヤハウェ)は、そもそも同一の存在ということもあり、イスラム教は「旧約聖書」と「新約聖書」の一部を、「コーラン」に準ずる啓典としているのです。
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聖典や経典の違い…「仏教」と「ヒンドゥー教」
仏教の聖典「経典」は、一説には現在8万4000種類もあるといわれています。
経典はブッタの教えを記したものですが、そもそもブッダ自身が相手によって語る内容や表現を変えていたために、初期段階から数は3000近くあったとされています。
それが時代を経るにつれ、ブッダの言葉をめぐる解釈が分かれていき、しかも仏教全体でどの解釈が正しいとは決めなかったため、最終的にこれほどの数となってしまったのです。
さらには、さまざまな言語に翻訳されていくなかで、微妙な違いが生まれますます数が増えていったという事情もあるのです。
そんな8万4000種類もの経典を、すべて読んだことがあるという者は、一般の信者は元より、どんな高僧でもいないはずです。
ですが、自分の信仰する宗教の聖典を読みこんでいない、聖典の解釈を決めないというのも、キリスト教徒やイスラム教徒にとってみれば信じがたい話だと思います。
一方、ヒンドゥー教はというと、仏教と同じく無数の聖典が存在している宗教です。
大きく「神人(しんじん)」が天からの啓示を受けて書いたといわれる「天啓聖典」と、人間によって書かれた「伝承聖典」に分けられます。
そして、さまざまな種類の聖典が膨大な数、存在しています。
内容も、神話や伝説から祭礼の方法、あるいは詩や文芸など、多岐にわたっています。
ヒンドゥー教の聖典は、信者にとって生活に密着したものです。
しかし、そのすべてが読まれているわけではないことや聖典どうしの優劣がほとんどないことは、仏教と同じです。
キリスト教
「新約聖書」
福音書・・・イエスの言行や教え
使徒行伝・・・使徒(イエスが選んだ弟子たち)の活動記録
書簡・・・使徒パウロが書いた手紙など
ヨハネの黙示録・・・世界の週末と神による救済「旧約聖書」
律法・・・天地創造やユダヤ教の戒律
歴史書・・・ユダヤ民族の歴史
預言書・・・預言者たちの言行
詩と文学・・・詩編、箴言、雅歌など
イスラム教
「コーラン」
信仰・・・アッラーの唯一絶対性、終末など
生活・・・礼拝、喜捨、断食、巡礼など
社会・・・結婚、商行為、利子の禁止など
国家・・・イスラム共同体(ウンマ)の唯一性、裁判、聖戦など
仏教
84,000種類ともいわれる経典
経・・・ブッダの教えをまとめたもの
律・・・戒律を記したもの
論・・・教や律の解脱にあたるもの
(経・律・論をあわせて「三蔵」という)
ヒンドゥー教
「天啓聖典」
サンヒター・・・讃歌や呪句をまとめたもの
ブラーフマナ・・・讃歌や呪句の解説など
アーラニヤカ・・・秘儀や哲学的な問題の解釈など
ウパニシャド・・・哲学的な問題の集大成「伝承聖典」
マハーバーラタ、ラーマーヤナ、マヌ法典など
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