イスラム教の聖典「コーラン」…
唯一不二の神(アッラー)から預言者ムハンマドに下された啓示とされています。
今ではこの「コーラン」も様々な言語で訳されているのですが、実はアラビア語以外の「コーラン」は“注釈”という扱いにされているのです。
それにはこのような理由があったのでした…
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イスラム教の聖典「コーラン」の内容を声に出す理由とは?
イスラム教の聖典「コーラン」は、神(アッラー)から天使ジブリールを介して、最後の預言者ムハンマドに下された啓示をまとめたものです。
「コーラン」よりも「クルアーン」(アラビア語では定冠詞をつけて「アル・クルアーン」)という方が正しい発音に近く、意味は「読誦(どくじゅ)されるもの」…
ですので「コーラン」を読むときは、アラビア語で音読しなければならないのです。
そもそも「コーラン」は、口頭で伝えられたと言いますので、その影響が残っているのでしょう。
ムハンマド自身、読み書きができなかったこともあり、彼を通じて伝えられた啓示の記録は、もっぱら信徒たちの暗記に頼ったとされていまます。
ところが、時をへるにしたがって、ムハンマドと直に接した者が少なくなってきます。
そこで正確な記録を残すためにも「コーラン」の文書化がはじめられたのです。
「コーラン」は、全体が114章からなり、各章は長いものから順に並んでいます。
時系列はばらばらで、テーマ別にまとめられているわけでもありません。
ムスリムでない人が読むと理解しづらいといわれるのは、そのためなのです。
しかし「コーラン」の読誦を聞くと、韻を踏んだ美しい散文の響きに魅了されて、改宗する人も少なくないといいます。
文学的かつ音楽的にもすぐれた「コーラン」は、まさに神が語った言葉として絶大な力をもっているのですね。
したがって、アラビア語以外に翻訳されたものは、神の啓示を正確に伝えていないとされ、あくまでも「注釈」というあつかいにされてしまうのです。
また「コーラン」に接することは、ムスリムの生活の根幹となっています。
1日5回の祈りでは、その一部が読みあげられますし、結婚式や葬式といった社会的な行事でも絶対に欠かせません。
「コーラン」は、ムスリムと密接な関係にあるのです。
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