イスラム教の礼拝堂である「モスク」。
この「モスク」という呼び名は、欧米や日本だけなのですが、日本人の私たちには縁遠い、礼拝堂「モスク」はどのような場所なのでしょうか?…
ここでは、礼拝堂「モスク」について、お話したいと思います。
Sponsored Links
礼拝堂「モスク」はどのような場所なのか?
ムスリムに課せられた義務のなかで、もっとも重視される礼拝(サラート)です。
これは、墓地や食肉処理場などイスラム教にとって不浄な場所でないかぎり、どこで行なってもよいとされているもの。
イスラム教の礼拝堂である「モスク」は、礼拝という本来の目的からすると、基本的には絨毯(じゅうたん)が1枚敷かれていればいいというわけなのです。
ただし、ウンマ(イスラム共同体)の構成員たる男性は、イスラム教の休日である毎週金曜日に集団礼拝を行ないます。
「金曜モスク」と呼ばれる大きなモスクへ行って、宗教指導者(イマーム)のもとで礼拝しなければならないからです。
そのため、イスラム国家では、各都市、各街区、各村に大小のモスクが建てられており、ムスリムにとって欠かせない施設となっています。
モスクの内部には、偶像崇拝を禁止するイスラムの教義に従い、アッラーをはじめ、天使や預言者などの像は、一切置かれることも描かれることはありません。
祭壇のような聖なる場所すらないのです。
必須の設備と呼べるものは、壁にあるひとつ窪(くぼ)みがあること…
これは「ミフラーブ」と呼ばれ、モスクに集うムスリムにメッカの方角示し、礼拝のときの目印となるものです。
ミフラーブの向がって右側には、イマームが集団礼拝の際に説教を行なう説教壇があります。
他の付属設備としては、礼拝の前に体を清めるための泉や、礼拝時刻の告知に用いる「ミナレット」がある場合が多いようです。
歴史的にモスクは、役所や裁判所の機能を持ち、講義が開かれる学問の場、子供たちに読み書きを教える教育の場であったと言います。
またモスクには遺体を洗浄して安置する場所が併設され、葬儀に使用される場合もあります。
そして何より地域住民が集う情報交換の場として、大きな役割を担っているのです。
多目的な公共の場として機能するモスクの姿は、今も昔も変わっていません。
この記事へのコメントはありません。