お寺や神社などに行くと「お坊さん」を目にします。
あるいは街中を歩いていても目にすることがありますよね。
そこで普段当たり前のようであまり気にすることがないかもしれませんが、お坊さんはなぜ全員坊主頭なのでしょうか。
気になっていた!という方もいるかもしれません。
今回は、なぜお坊さんは髪を剃るのかについて、みていきたいと思います。
お坊さんはなぜ髪を剃るのか?
お坊さんといえば、何といっても髪の毛がないことが特徴の一つといえます。
僧が頭髪を剃るというのは、基本的にどの時代、どの国の仏教宗派にも共通している風習なのです。
これは、ブッダが王族の地位を捨てて修行生活に入ったときに、頭髪を剃りおとしたという故事に由来しています。
古代インドでは、髪の毛を剃ることは刑罰の一つであり、とても恥ずかしいことであったのです。
ブッダは、あえてそのような姿になることで俗世への執着を捨てたのです。
家庭や仕事といった社会生活を捨てて仏門に入り、僧になることを「出家」といいます。
そして、出家する際には、それまでの生活への未練を断ち切るために、ブッダにならって今も剃髪をするのです。
仏教の初期においては、剃髪の他にも、教団(僧団)の10人の先輩から承認を受ける、戒律を守ることを誓うなど、出家する際の儀式は決まっていました。
しかし、時代が進み、さまざまな宗派が生まれてくると、出家の方法も宗派によってばらばらになっていきます。
ただ、基本的にどの宗派でも共通していることもあります。
出家した者はブッダの弟子となった証明として、僧としての新たな名前「戒名(かいみょう)」が与えられるということです。
「西遊記」の三蔵法師を例にとれば、玄奘(げんじょう)が戒名で、本名は陳褘(ちんい)といいます。
ちなみに、死者に戒名を与えるのは、生前に出家していなかった者も、形式的に出家したとするためです。
本来、仏教では出家者しか解脱できないとされていませんでしたが、一種の救済措置として死後にブッダの弟子となっても解脱できるとしたのです。
もっとも、死後に戒名をつけるのは、本来は例外的なことであり、日本のように盛んなのは、仏教全体から見ればかなり特殊なことなのです。
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