レオナルド・ダ・ヴィンチ作の「最後の晩餐」は誰もが知る名画一つでしょう。
学校の教科書で見たことがある方、本で見たことがある方など、一度は目にしたことがある方が多いでしょう。
そしてこの名画の意味をご存知でしょうか。
そこには中央にイエス・キリストが描かれ、12人の弟子(十二使徒)の中で裏切り者とされたユダも描かれています。
イエスはこの弟子・ユダに裏切りあって、捕まって磔刑されてしまうのですが、ここで疑問が一つ…
そもそも、なぜイエスは弟子のユダに裏切りにあったのでしょうか?
今回はそのあたりのお話をしたいと思います。
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なぜイエスは弟子のユダに裏切りにあったのか?
イエスの教えは次々と民衆の心をつかんでいきます。
ユダヤ社会に絶大な影響力を持つ指導者階級は、それを快く思っていませんでした。
そして、自分たちの地位がおびやかされるのではないかと危惧し、イエス亡き者にしようと計画したのです。
イエスは「あなたがたのうち、ひとりがわたしを裏切る」と、十二使徒のひとりイスカリオテのユダの裏切りを予告していました。
有名な「最後の晩餐」でのひとコマです。
晩餐の後、イエスはふだん通り、ゲツセマネの園と呼ばれるオリーブ園で祈っていたところを官憲に逮捕されてしまいます。
官憲の先頭にいたのは、やはり裏切り者のユダでした。
銀貨30枚というわずかな報酬で、イエスを売ったのです。
捕らえられたイエスは、ユダヤ教の大祭司カイアファの邸宅に連行され、神への冒瀆(ぼうとく)という罪状により、なかば強引に死刑が決議されてしまいます。
しかし、ユダヤの地を支配するローマ帝国は、ユダヤ人に死刑を決めて執行する権限を与えていませんでした。
そのため、イエスはローマ帝国のユダヤ総督ピラトのもとへ送られます。
ここでの罪状は、ローマ帝国への反逆です。
もちろん、ピラトはイエスにかけられた罪が冤罪(えんざい)であると見抜いていました。
それでも、イエスを釈放することができない…
ユダヤ人の指導者たちが民衆を煽動(せんどう)してイエスを十字架にかけるよう詰めよらせたからです。
悩んだピラトは、ユダヤ教の祭りのときに罪人をひとり恩赦で釈放できるという慣例を思い出し、民衆の前で凶悪犯バラバとイエスのどちらに恩赦を与えるべきかを問います。
しかし人々の答えは、バラバを釈放しろという叫び声だったのです。
すでに暴動が起こる寸前でした。
結局ピラトは、イエスを邸宅から引き出し、磔刑に処すよう言いわたします。
そして刑は即刻執行…
イエスがゲッセマネで逮捕されてから、わずか12時間後の出来事でした。
最後の晩餐のシーンは、宗教画の題材に好んで取り上げられますが、中でも有名なものはイタリアのサンタ・マリア-デッレ・グラツィエ教会における、レオナルド・ダ-ヴィンチが描いた壁画です。
修道院の食堂に420×910cmの巨大な壁画として描かれています。
一点透視図法を用いているため、食堂が絵の中につながっているかのような錯覚を与えます。
機会がある方はぜひイタリアのサンタ・マリア-デッレ・グラツィエ教会へ実際の壁画を見に出かけてみてはいかがでしょうか。
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