あなたが街を歩いていた時に、道の端っこに人だかりができていて、それを見てあなたは「一体何をやっているんだろう?」…と気になったことはありませんか?
または、あなたが友人とブラブラ街を歩いていた時に、あるお店の前に行列ができていました。
そんな時、「これだけ行列ができているのは有名なお店だからなのかな?」、「これだけ人が並んでいたらきっと美味しいだろう!並んでみよう!」と思ったことはありませんか?
人はなぜか大勢の人が集まっている所が気になる、ついそこに行って見たくなる、という習性を持っているのです。
ではなぜ大勢の人を見ることによってそのような心理が働くのでしょうか。
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なぜ人は大勢の人が集まっている所が気になる?その群集心理とは?!
学者のミルグラムは、ニューヨークの繁華街でサクラ(サクラとは、公演主催者や販売店に雇われて客の中に紛れ込み、特定の場面や公演全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を作り出したりする者を指す隠語。)に道路の向かいのビルを見上げさせるという実験を行ないました。
その結果、サクラが一人でも通行人の40%が同じ方向を見上げ、サクラが5人以上になると80%の人が興味を示し、20%の人が立ち止まって見上げることがわかりました。
この現象は、店舗やイベントでもよく見られます。
例えば、テレビや雑誌で「行列ができるお店」と宣伝された店にはますます行列ができますし、人気イベントは日を重ねるごとに入場者が増えていきます。
「わざわざ混んでいるところに行かなくてもいいのに……」
と眉をひそめる人もいますが、人には「同調」と言って、大勢と同じことをやっていると安心感や連帯感を覚える心理があります。
これが、行列が行列を呼ぶ秘密です。
この心理を利用したのが、冒頭のミルグラムの実験です。
つまり、閑古鳥が鳴いているお店やイベントに人を集めたかったら、サクラを使うのが効果的ということです。
ただし、人がたくさん集まると、「群集心理」という心理状態になり、思わぬことが起きることがあります。
「群集心理」とは、群集が示す特殊な心理状態。
一般に判断力が低下し、興奮性が強くなり、衝動的・無責任的な言動をとる傾向になる、とあります。
群集になった人々には詳しく次のような特徴があらわれます。
1.大勢の中に埋没することによって心理的匿名性が進み、責任感と個性が消える
2.暗示にかかりやすくなり、集まった人たちの感情や思想がひとつになる
3.感情に働きかける訴えが簡単に受け入れられ、論理的な考え方は排除されるようになる
はじめは平和的に始まったデモや抗議行動が次第に宗教や政治的な側面を見せるようになり、暴動にエスカレートすることが多いのには、このような理由があります。
ちなみに、群集心理の名づけ親である心理学者のル・ボンは「群集の中に埋もれた個人はもはや人間ではなく、一体の操り人形である」と言っています。
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