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キリスト教における「七つの大罪」とは何か?

宗教には「戒律(かいりつ)」がつきものです。
戒律とは、信徒が守らなければならない決まりのことで、「~しなければならない」という義務事項と、「~してはならない」という禁止事項の、二種類から成り立っています。

「旧約聖書」にあるモーセの「十戒」は、その代表格…
これにも、週の7日目を安息日とし、父母を敬えといった義務事項と、偶像崇拝、殺人、盗み、姦淫、偽証などを禁じた禁止事項の、二種の要素が含まれています。

同じ神をあがめるキリスト教、ユダヤ教、イスラム教は、この「十戒」を共通の戒律としているのです。
しかし「十戒」は、ごく基本的な決まりにすぎません。

人が生きる上で遭遇する局面は多種多様だから、ある局面でどう行動すれば良いかを示す規範は、これだけではとても足りないからです。
そこでユダヤ教とイスラム教は、「十戒」をベースにより細かい戒律を、それぞれ生み出してきました。

たとえばユダヤ教の「タルムード」には、日常生活上の規範が詳細に記され、何を食べてよいか、何は食べてはいけないかまで決められています。

一方イスラム教には、「六信五行」という概念があるのです。
イスラム教徒が毎日5回、決まった時間に聖地メッカの方角へ礼拝を行なうのは、行なうべき5つの事項を挙げた「五行」に、それが含ま
れているからなのです。

対してキリスト教は、新たな戒律をもうけるより、「十戒」で禁じられていること、つまり「罪」へと人を駆り立てるものは何かと考え、それを退けるべく努力すべきだとしました。
そして生まれた教理が、「7つの大罪」だったのです。

そのリストが最初に編まれたのは4世紀頃…
その時点では、罪の要因は8つとされていました。

これを7つに改めたのは、6世紀のローマ教皇、グレゴリウス1世です。
以来、「7つの大罪」は「最後の審判」の際に、天国行きか地獄行きかを分ける基準ともみなされるようになり、後世のキリスト教徒たちに大きな影響を与えました。

14世紀イタリアの詩人ダンテは、叙事詩「神曲」で地獄や煉獄の様子を描いています。
また16世紀ドイツの修道士ペーター・ビンスフェルトは、「7つの大罪」それぞれを司る悪魔が存在すると主張し、その名を列挙しました。

以下、それらとともに「7つの大罪」をご紹介しましょう。



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第1の罪は「傲慢」。
悪魔はルシファー。
「神曲」では、この罪をつぐなうためには、煉獄の第一冠で重い石を背負わなければならないとされる。

第2の罪は「嫉妬」。
悪魔はレヴィアタン。
「神曲」では、この罪を犯した者は煉獄の第二冠で、両目のまぶたを鉄線で縫い合わされることになる。

第3の罪は「憤怒」。
悪魔はサタン。
「神曲」では罰は、地獄の第五圈で泥沼につかりながら、互いに争いをさせられるというものだ。

第4の罪は「怠惰」。
悪魔はベルフェゴール。
「神曲」では、この罪は煉獄の四冠で、山の周囲をひたすら走って回ることで浄化される。

第5の罪は「強欲」。
悪魔はマモン。
「神曲」での罰は、地獄の第三圏で怪物ケルベロスに引き裂かれることである。

第6の罪は「暴食」。
悪魔はベルゼブブ。
「神曲」でのつぐないは、煉獄の第六冠で飢えと戦いながら、口に入らぬ果実を見つめることだ。

第7の罪は「色欲」。
悪魔はアスモデウス。
「神曲」の罰は、地獄の第二圈で暴風に吹き流されること。

無論、これらは人間があとから考えたものです。
真実だという保証はありません。

特にビンスフェルトは、多くの人を「魔女狩り」で殺した狂信的扇動者だったといいます。
そんな人物の主張に論拠などないでしょう。
事実、彼の悪魔リストは、現在では通俗本の世界でしか、重きを置かれていないようです。

とはいえ、ここに挙げられた欲望や感情が、悲惨な事件の原因となりがちなのは、否定できません。
それらを抑制せよと説く教えには、キリスト教徒ならずとも、耳を傾ける価値はあるのでしょう。



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