みなさんは「神社」の「正式な参拝」の仕方(作法)をご存じでしょうか?
あまり信心深くない人でも、正月の初詣、子供の七五三、合格祈願、恋愛成就、厄払いなど、なにかと神社を参拝しているものです。
意外に参拝する機会の多い神社ですが、参拝の仕方(作法)が心もとない人も多いのではないでしょうか。
参拝するときには、必ず鳥居をくぐります。
鳥居をくぐる前に一礼して参道を進みます。
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」といって神様の通り道ですから、端に寄って歩くようにします。
参道を進むと、脇に水がためてある石の水盤(すいばん)などを置いた手水舎(ちょうずや)があるので、ここで手と口をすすぎます。
さて、いよいよ参拝です。
本殿の前で軽く一礼します。
鈴があれば、力強く鳴らします。
神様に参拝に来たことを知らせる合図です。
賽銭箱に賽銭を入れます。
投げるのではなく、静かに入れるようにします。
参拝は「二礼二拍手一礼」が基本です。
つまり、神前に向かって二度深くおじぎをし、次に柏手(かしわで)を二回打ちます。
そして最後に一度、深いおじぎをします。
神社によっては特別な参拝をするところもあります。
たとえば、島根の出雲大社や大分県宇佐市の宇佐八幡宮では、「二礼四拍手一礼」が正式な作法となっています。
なぜ「四拍手」なのか、その由来は定かではありませんが、この作法は古くから受け継がれてきたものだということです。
「二礼二拍手一礼」という作法は1948年に改正された神社祭式行事作法に基づきますが、なぜ「二礼二拍手一礼」という参拝作法が伝わってきたのでしょうか?
そこには、どんな意味があるのでしょう。
一説によると、二礼二拍手と、同じ動作を二回行うのは、陰と陽の一対を表しているといわれます。
また、柏手を打つのは、和合を示しているのだといいます。
片方の手だけをいくら振り回してみても、音が鳴ることはありません。
二つの手が合わさることではじめて音が出ることから、ともに合わせる心を象徴するものだというわけです。
柏手の歴史は古く、3世紀末の歴史書である「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」には、倭人(日本人)が「神や貴人に対して手を叩き礼拝する」様子が記されています。
また、古代の朝廷では神に捧げる食事はカシワの葉を編んだ食器を用い、神への合図として二拍の手打ちをしたといわれています。
つまり、二礼二拍手は尊い存在である神様に敬意を表する作法であり、神様と一体になることの喜びを表現するものなのです。
そう考えると、「二礼二拍手一礼」の作法が単なる儀式ではなく、より身近なものとして感じられるのではないでしょうか。
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