箪笥(たんす)は、衣類や道具を収納するための、引き出しや扉を備えた家具です。
中でも「桐箪笥(きりだんす)」は、高級たんすとして有名ですね。
よく実家や、おばあちゃんの家などにおいてあるイメージがありますよね。
そこで「桐だんす」はなぜ重宝されるのでしょうか…
今回はそんな「桐だんす」のお話です。
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桐だんすが日本で重宝されるわけとは?
日本の伝統的な家財道具はいろいろありますが、桐のたんすもその代表的なものの一つでしょう。
桐のたんすは、古くから衣類などをしまう家財道具として親しまれてきました。
その理由としては、防湿・保温効果が高い、抗菌性にすぐれノミやダニがつきにくい、桐材にはタンニンが多く含まれ、腐りにくいといった特徴をあげることができます。
また、桐だんすは燃えにくく、火事に強いといわれています。
桐は他の木材に比べ、着火温度、発火温度が高く、燃えにくいのです。
とはいえ、桐も木材であることに変わりはありません。
強い炎にあぶられれば、火がつき、燃えてしまいます。
それでも桐が火事に強いといわれるのは、桐が乾燥してもあまり変形しないからです。
一般的な木材は、強い炎にあたると収縮して形が変わってしまいます。
変形でできた隙間に炎が回り込み、そこから中に火が入り込んで、中にしまってあるものも簡単に燃えてしまいます。
しかし、桐だんすは表面が焼けただれても、隙間ができにくく、また割れることもほとんどありません。
そのため、中にしまってあるものが火から守られる確率が高いのです。
ちなみに、たんすは「一竿(ひとさお)」、「二竿」と数えますが、なぜだかご存じでしょうか?
それは、側面に金具がついていて、竿を通して持ち運びができるようになっているからです。
江戸時代初期のたんすは、下に車がついた車だんすが一般的でした。
1657年の明暦の大火の際、人々は我先にこの車だんすを持ち出し、通りが大渋滞になりました。
そこに火が回り、被害をいっそう拡大しました。
そのため幕府は車だんすを禁止し、かわって考え出されたのが、竿を通して持ち運びができる竿だんすでした。
これによってたんすは簡単に持ち運びができるようになり、火事のときばかりでなく、来客があって部屋を広く使いたいというときでも、移動してスペースを確保できるようになったのです。
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